BOOK1
□黒は高らかに咆える
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「負傷した隊士は、約30名。検出された霊圧は…」
卯ノ話の口が、止まる。
何かを言うのを躊躇うような仕草。
「どうしたんだネ?まさか、まだ解析出来ていないなんて言うんじゃないだろうネ?」
マユリがからかうような口調で言う。
「あら、そんなことはありませんよ。解析はきちんと終わってます。ただ…」
卯ノ花は、また躊躇い、そして
「…検出された霊圧は、今までの敵とは全く異なるものです。」
一つの事実を告げる。
霊圧が違う。
ただ、それだけの事実。
その事実は、一人の男を動揺させるのには、十分過ぎるほどの、事実。