BOOK1
□黒は高らかに咆える
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「これより隊首会を執り行う!」
総隊長の声が響き渡る。
「皆に集まってもらったのは、少し話しておきたいことがあるからじゃ。」
「話しておきたいこと?何だよ、ジイさん。そんなことのためだけに俺たちを集めたのか?」
剣八が気だるそうに話す。
「そんなこと、ではない。・・・新たな敵が現れた。」
その言葉に部屋の空気が一気に張りつめる。
「・・・新たな敵だと?」
剣八はさっきの気だるそうな話し方とは真逆の、むしろ、嬉しそうな笑みをうかべて問いかける。
「そうじゃ。まだ正確なことは分かっとらんが、味方ではないことだけは、確かじゃ。」