【BL】家庭教師×生徒

□騙し愛
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「お仕置きだ」


『…は…?』


「逃げんなよ」



明らかに怒っている様子の健介



『ざけんなよ…!
なんだよいきなり…ッ!!』


「ふざけんな?
俺の台詞だろそれは」



なんなんだ本当に

健介が怒っている理由がまったくわからない



『んだよ…それ…ッ』


「あんまり生意気言うなよ」



先ほどからクスリともしない健介

確実に俺を睨んでいる


そんな顔もかっこいいと思ってしまう俺



「飲め」


『っ…!!』



出ると思ったよ


媚薬



『んー…ッんんん!』



イヤイヤと首を振るがいつものように無理やり口をこじ開けられ、飲まされる


いつもと違うのは、怒っている理由がわからないこと



「まだわかんないんだ?」


『まじでなんなんだよ…ッ!!!』



とりあえず意味もわからず犯されるわけにはいかないので部屋の外へと逃げる


珍しく健介は追ってこない



「別に逃げてもいいけど…
捕まえたところでヤるよ?
リビングでも廊下でもさ…」


『――――ッ!!!』



それはおおいに困る


誰かに見つかったらどうするんだ


俺はもう生きてはいけないだろう



『なっ…んで…ッ』


「本当に…わかんない?」



ヤバい…もう効いてきた…



「…」


『…?』



本気でわかんねぇ…



「なんでわかんないの?」


『ごめ…ッ』


「理由を聞いてんだよ」



理由と言われたってわからないものはわからない



「ほら、動くな」


『や…ッだっ…!』



いつも通り頭上で腕を纏められる


はずだったのに


両手首をそれぞれ両足に拘束される


しかも手錠なんてものを出してきた



『なにっ…!?』


「暴れんじゃねぇ」



そう言い、両手首を纏め終わると堪えきれないと言う風に満面の笑みを浮かべる健介



『――――ッ!!!!』



騙された…ッ!!

声にならない言葉を叫ぶ峻



「ばぁーか」


『てめっ…!まじで、殺すからな…ッ!!!』


「その格好でもできる?」



少しでも怯んだ自分が馬鹿だった


健介なんて信じるんじゃなかった


後悔の渦が巻く



『さわんなっ…ッ!!』


「あっれぇ
怒っちゃった?」



ムカつく

見下すな馬鹿!

まじで殺してやるからな!


『ん…ッ』



そんな俺の気持ちもつゆ知らず

首もとにキスをする健介


ゆっくりと肩へ舌が進んでいく


声を押し殺す峻
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