過去夢@
□白夜光 03
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とりあえず私は、他の兄弟たちにライトについて聞いてみることにした
まずは誰にしよう?
1番聞きやすいのは…スバル君かな。同い年だし
スバル君の部屋に行ってみよう
『スバル君、いるー?』
「何だユイか。お前から俺の部屋に来るなんて珍しいな」
『いや、ちょっと聞きたいことがあって』
「ならさっさとしろ。俺は忙しいんだ」
いや、けっこう暇そうに見えるけど…
でもここはさっさと聞いた方がいいかな
『あのさ…ライトって、どんな人?』
「ああ?ライト?今さら何でそんな事…。しかも何でおれに聞くんだよ!」
『ええと、ライトってさ、イマイチ何考えてるか分からないじゃない?そんなんじゃこれから一緒に暮らすのにマズイかなって…。だから皆にライトの事聞いてみることにしたの』
「はあ。俺とライトは母親も違うし最近はほとんど話さねぇから、あんま参考にならねえと思うぞ?」
うーーん、確かに2人が話してるの見たことないな。性格全然違うし趣味も合わなさそうだ
『じゃあさ、昔のライトってどんな感じだった?今みたいにその…へ、変な感じだった?』
さすがに「変態」とは言いにくい
「いや…そういえば、昔はあんな感じじゃなかったような。…うまく言えねえけど、今よりもっと優しかったっつーか。喋り方はあんま変わんねーけど。笑う時もあんなニタニタした感じじゃなくて、普通だった。そうだ!昔のライトはもっと普通の優しい奴だったぞ」
『えっ!?あのライトが…普通?優しい?』
今のライトとは正反対の言葉だ
「ああ。うちでは俺だけ同じ母親の兄弟がいないだろ?だからその…はじめは他の5人とうまく馴染めなかったんだよ。でもそんな時ライトが何かと声をかけてくれた。正直うざってーと思ったこともあったけど、そうやってやりとりしてるうちに他の奴らとも自然と話せるようになったんだ。今ではその…感謝してるよ」
『へぇ〜。そんな過去があったんだ』
そんな気遣いをするライトも意外だけど、スバル君にもそんな過去があったなんて。案外繊細な子なんだな
感心していると、スバル君が「しまった」という表情になり、顔を真っ赤にしながら叫んだ
「…っクソ!!余計な事まで喋っちまった!なんでユイにこんな事話さなきゃいけねーんだよ!」
いやいや、あなたが喋り出したんでしょうが!
『え、えと…ライトの事もスバル君の事もよく分かったよ、ありがとう。この話は誰にも言わないから、ね?じゃあ…』
彼が暴れ出しそうな予感がするので、ここは早めに退散しよう