過去御礼SS

□スバルとテディの長い1日 D
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『クソッ!シュウの奴、勘違いしやがって!!』


さっき廊下ですれ違ったシュウはどうやら、俺が隠れてこんなぬいぐるみを持つような趣味をしていると思い込んだらしい


しかし、わざわざ追いかけて弁解するのも余計怪しまれるだろうし

今はとりあえず放っておいて、早くメシにしよう




クマを持ったままキッチンへ行くと、レイジがいた

ちょうどいい、メシはこいつに作らせよう

俺は流し台の前で皿を磨いていたレイジに声をかけた


『おいレイジ、俺にメシ……』


「……!!」


レイジは俺の方を振り返った途端、この世の終わりみたいな顔をして

持っていた皿を手から滑り落とした


『おっ……と!危ねぇな!!』


俺が慌ててキャッチしなければ、確実に床に落ちて割れていただろう


『んだよ、これお前の大事にしてた皿じゃねーのか?』


問い掛けるもレイジの顔は凍りついたままで、その視線は俺の腕……

……の中のクマに集中していた



「あなたは……スバルですか?それともカナト?」



こいつ、シュウと同じこと言いやがった!

いつもは仲悪いクセして、思考回路は同じなんだろう


『俺がカナトなわけねーだろ!このクマはワケがあって……』


「やはりスバルでしたか!…何か悩みでもあるのでは?そのぬいぐるみにしか話せないような事ですか?」


『はぁ!?俺は悩みなんて無いって』


「急にこんなものを愛でるようになるなんて……。よほど深刻なことがあったと見えます。ですが溜め込み過ぎて爆発でもしたら、この屋敷は全壊……!!」


俺の話も、大事にしていた皿も無視してレイジは頭を抱えだした


こいつは俺が悩み過ぎて、ぬいぐるみに相談するくらい追い詰められちまったとでも……?


しかも……心配なのは俺じゃなくて屋敷かよ!



『いや、俺の話を聞けよレイジ』


「……話してくれる気になりましたか!?しかし、それほどまでに重い悩みを私一人で聞くには荷が重すぎますね。
まずは長男のシュウを……いやあれは全くもって役立たずですから、専門的なカウンセラーを呼ぶべきでしょうか……?」


レイジは慌ててキッチンを出て行ってしまった


本当にカウンセラーでも呼ぶつもりだろうか?



『……まったくどいつもこいつも!』



しかし話を聞かないレイジが悪いんだ。

もう知らん、勝手に騒いでろ。


俺はこれ以上弁解するのがめんどくさくなった。


どうせ今日一日のことだし、カナトが帰って来たらシュウもレイジも事情が分かるだろう



とりあえず腹が減ったから、何か食うか……


せっかくレイジに何か作らせようと思ったのに、俺は料理なんて簡単なものしかできない


何にしようかと考えていたら、ふとコイツ(クマ)と目が合った


相変わらず小せえ目だ




『……ホットケーキでも焼くか』



コイツと目が合った瞬間、なぜかハチミツの味が恋しくなったんだ





つづく


目が合う時点でやばいよスバルくんwww

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