過去御礼SS
□スバルとテディの長い1日 A
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今日いきなりカナトの奴がコイツを置いていきやがった
いつもアイツが大事そうに抱えてる 変な格好したクマのぬいぐるみだ
「クソッ!!何でこんなモノを俺が……」
いつもの様に床に投げつけてやろうと
そいつを握りしめた時
「………。」
そいつの小さな目が 何かを俺に訴えているようで
俺はその手を離すことができなかった。
(……こいつ、この前もホコリまみれの床に落ちてたな)
カナトの奴は情緒不安定だから、振り回されてるんだろう
「お前も、けっこう大変なんだな」
カナトの他に友達もいないだろうし
寂しいとか……
思ったりするのか?
俺が昔この屋敷で他の兄弟たちと暮らし始めた頃
他の奴らとうまく馴染めなかったのを思い出した
「テディ……とか言ったか?お前……」
ぬいぐるみに話しかけるなんて、バカみてーだと思ったけど
声をかけずにいられなくなったその時
「スバル……。そ〜んなに見つめ合っちゃって、テディ子と一体何しようとしてたのかなぁ?」
「―――!!」
今、一番会いたくない奴がやってきた