過去夢@

□流水の如く 02
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ーーーーウォータースライダーにてーーーー



ここのスライダーは2人乗りのゴムボートに乗って滑るタイプみたいで

私はライトと一緒に行列に並んでいた


(……周りカップル多いな)


私達も一応そうなんだけど、こうして人前で一緒にいることは少ないから

こんな風に周りにも同じような人達がいると、変に意識してしまう


「ユイちゃん、次僕たちの番だよ!」

『あっ!うん……』


私達の前にボートが来た

体重が軽い方から先に乗るらしく、まず私が前方に腰を下ろして

それからライトが後ろに座った


「よいしょっと……ねぇユイちゃん、こっち向いて座りなよ」


『え、なんで?後ろ向きとか怖いよ』


「だって、対面座i 『バカッッ!!』


(ぜっったいに後ろは向かない!!)


そう心に決めた時

係のお兄さんがボートをスライダーへと流し


私達は青いトンネルの中にグングン飲み込まれていった


『わっ!結構はやい!!』


予想以上のスピードに、少し怖くなる


(後ろに座ればよかった……)


そうしたらライトに抱きつけたのに



「ユイちゃん……」


『うわっ!!』


いきなり後ろからライトの手が伸びてきた


『やめてよこんな所で……』


「ここ薄暗いし、2人っきりだし、イイじゃない?」


私のお腹のあたりをまさぐっている


『2人っきりって……やっ…もうすぐ大勢の前に出るんだよ!!』


スライダーはすぐ終わっちゃうのに


「フフ、こんなイヤラシイ事してる2人が出てきたら、きっと皆びっくりするよね〜」


ライトは私の水着をはぎ取りそうな勢いだ


『やだやだやだ!!』


無我夢中で抵抗する


「ユイちゃんだって、こうやって抱きつきたいって思ってたクセに〜」


『!!な、何でわかるの?』


「アハハッ!やっぱりそうなんだ〜。分かりやす〜い♪」


『ちょっ!引っかけたってこと!?』


こうして言い合っているうちにボートは滑りおわってしまった





『ちょっと!全然楽しめなかったじゃない!!』

「だってユイちゃん怖がってたからさ〜気持ちを紛らわしてあげようと思って」

『……。』


確かに、いつの間にか怖さは吹き飛んでいたけど

私は恐怖どころか楽しさも何も感じることなく、スライダーを後にすることになった
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