過去夢@
□白夜光 10
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「ユイ、今いいか?」
『アヤト……。うん』
私の部屋を訪れたアヤトはとても神妙な面持ちで、何の話なのかはだいたい予想がついた
アヤトを部屋に招き入れ、2人でソファに向かい合って座る。
「今日俺は、ライトの兄として、お前に話がある」
『うん』
どうやらアヤトも、私がライトについて探っていたことを知っている様だ
「お前、ライトの事好きか?これからも一緒にいるつもりか?」
私はアヤトの目を見ながらゆっくりと話し始めた
自分にも言い聞かせるように
『うん、好きだよ。私はライトの過去も、今も、ライトの本当の弱い部分も全部知って、それでも一緒にいたい』
だけどアヤトの顔は曇ったままだった
「俺は……反対だ。ライトは大事な弟だし、お前も大事な……友達だ」
『アヤト………。』
「ライトはお前がいると、弱くなる。ヴァンパイアにとって弱くなるっつーことは、人間以上に危険なんだ」
アヤトがライトをどれだけ大事に思っているのか、表情や言葉の端々から伝わってくる。
「それに……お前がこれからライトと生きていくには、犠牲にしなきゃなんねー事が沢山ある。普通の人間としての幸せを捨てる事にもなるんだぞ?」
『わかってる。それでも私は、ライトと一緒にいたいし、弱い部分は支えたい。ライトといることが、私の幸せだから』
アヤトの言っていることは、正しい。むしろ私の決断が間違っているのかもしれない
それでも私は決めたんだ。
『まだライトが私の事どう思っているか分からない。だけど、この思いに気づいた以上、私はライトに気持ちを伝えるつもりだよ。
これから私、精一杯努力するから。できればアヤトにも…認めてもらいたい』