過去夢@
□白夜光 09
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ベッドに入ったけれど眠れなくて、庭へ散歩しに出た
裏の方には、私のお気に入りの場所がある
そこは白くて小さな花が一面に咲き誇っていて
大きなアゲハ蝶がその蜜を吸っていた
(蜜吸い尽くされて枯れたりしないのかな?)
そんなことを考えていたら、花の香りに酔いそうになった
(この花、こんなに香り強かったっけ?)
蝶もこの香りに誘われてやって来たのかもしれない
「つかまえた」
『ヒッ…!?』
「アハハ、もうちょっと可愛い声出してよ。せっかく捕まえに来たのに」
『背後からいきなり抱きつかれたら、誰だってびっくりするよ!』
「……来るの分かってたくせに」
ライトが私の髪を撫でる
あぁ、そうかも
ライトに会いたくて、ここに来たような気がしてきた
「…いいにおい」
甘えるように、首に顔をうずめてきた
『花の香り?』
「ううん、ユイちゃんの香り」
かかる息がくすぐったかったけれど、抵抗する気にはならなかった
いつものライトとは違って、すごく優しい声と仕草だったから
「僕はね、この香りに誘われて来たんだ」
そう耳元で囁くと
ライトはうっとりとした表情で、そのまま
私を押し倒した