過去夢@
□白夜光 06
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……ちゃん、ユイちゃん、起きて」
『う…ん。……え、あ、ライト?』
「そうだよ、んもう、教室で寝ちゃうなんて、意外と図太い神経してるんだから」
『え、えぇ?きょ、教室!?』
ライトにそう言われて初めて、自分が制服姿で教室の机の上で突っ伏していたことに気付いた
(しまった!)
ここ最近の貧血と寝不足のせいで授業全然頭に入らなくて、そのまま…
『ていうかライトどうして学校に!?来るとき一緒じゃなかったよね?』
まだ停学処分は解けていないはずだ
「僕はもうすぐ夏休みだからって先生に呼ばれたの。休み明けには登校しても良いってさ」
『あ…そうなんだ、良かった…ね』
正直良い事なんだかよく分からない
「まぁね♪だからユイちゃん達を迎えに来たリムジンで来たってわけ」
『え!じゃあ迎えのリムジンは…』
「もうとっくにアヤト達を乗せて帰ったよ。あと1時間くらいしたらまた僕を迎えに来るから、ユイちゃんもそれで帰ろう」
(な…何でスバル君起こしてくれないのよ!!!同じクラスなのに…他の皆だって、リムジンにいなかったら様子見に来てくれたっていいじゃない!)
「それよりユイちゃん?」
『な、なあに?』
この声のトーン、嫌な予感しかしない
「カナト君って、意外と力強いんだねぇ」
『えっ?』
「この絆創膏の下にある傷…カナト君に吸われたんでしょ?」
今は夏服なので、この前のカナト君の傷を隠すため絆創膏を貼っていた
『これは…その…ちょっと転んだ時に擦り剥いちゃって…へへ』
「ウソ。だってこんな内側の柔らかそうなとこ」
『いっ!!』
ライトの手が私の腕へ伸び、ペリッと絆創膏がはがされる
カナト君が付けた小さな傷が露わになってしまった
「故意に傷つけなきゃ怪我しないよ?」
顔はニヤリと笑っているようだけれど、今日も目は笑ってなかった
「消毒しなきゃね」
腕を強引に掴まれ、舌先で傷をチロチロと刺激された
『ッ……』
「まったく…今までユイちゃんにあ〜んなに色々してあげたのに、まだ足りないんだねぇ」
『んんっ!ち…ちが…』
「足りないからって次々他の男のところへ行くなんて、まるで…」
(まるで……何?)
「……君も…最後は僕に何も言わずに居なくなるんだろ?」
……一体誰の事を言っているの?
私ではない別の誰かに語りかけるような口調だった