過去夢@
□隠し味
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味付けに試行錯誤しているうちに、10分ほどが過ぎ
自分の料理を終えたレイジさんがやって来た
「出来ましたか?」
『はっはい!いちおう……』
ひたすら色んな調味料を混ぜ込んだスープは出来た≠ニいうか
もはやこれ以上、手のほどこしようが無くなっていた……
「では……」
レイジさんがスープを一口味見した
「………。」
メガネ越しの目の色が変わり、眉間にしわが寄る
(こんなキレイな顔を歪ませる私の味付けって…)
先に謝っておこう
『すいません……マズイ…ですよね』
もはや確認するまでもないけれど。
レイジさんは大きくため息をついた
「はぁ……。だから言ったんですよ。あなたには到底不可能だと」
『いや…まさか私も、こんなになるとは……』
(というか、こんな難しい事させられるとは……)
「この味からして、その発言も疑わしいですね。……本当はワザと失敗して、私に叱られたかったのでは?」
レイジさんは酷く冷めた目を私に向けると
『……!!』
私の顎をクイと持ち上げ、顔をまじまじと見つめた
「ユイさんは、頭だけでなく舌も馬鹿なんですね」
口元に視線を感じる
『え………?』
レイジさんの顔がどんどん近づいてきて
思わずギュッと目をつむる