過去夢@
□白夜光 10
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必死で抵抗すると、少し吸う力が弱くなり
足元でアヤトの声が聞こえた
「……ユイ、ヴァンパイアと一緒に生きるってのは、こういうことだ。
好きでもねー奴に、無理やり血を吸われることだってある。
特にお前みたいな奴は、出会ったどのヴァンパイアにも狙われるだろう。
常に命の危険と隣り合わせだ。それでもお前は、ライトを選ぶのか?」
『アヤト……』
そっか、アヤトは自分の身で示そうとしてくれてたんだ
これから私が選ぼうとしてる道の厳しさを。
「ライトにだってな、好きな時だけ吸血されるわけじゃない。必要とあらば命犠牲にしてでも、血を捧げなきゃいけねーんだぞ」
アヤトはいたって真剣だ
本気で、私に向き合おうとしてくれている
それなら私も、こんなことでへばってちゃダメだ
『……それ…でもっ…いい……』
アヤトに示さなきゃ
私なりの「覚悟」を……
『んっ!…ん…ハァ…』
必死に耐えているけれど、アヤトはなかなか吸血を止めてくれない
やっぱり今日のアヤトはずっと変だ
「……ジュッ!チュ…チュ…んんっ!」
やだ…この吸い方も、いつものアヤトと違う
思いっきり吸ったかと思ったら、優しく舌を這わせる
(こんなの、まるで……)
『……ラ…イト…?んんっ!はぁっ…』
無意識に、彼の名前を呼んでしまった
ライトとの思い出が、次々と頭に浮かんでくる
はじめて会ったとき
はじめて無理やり吸血されたとき
はじめてキスしたとき
はじめて…優しくしてくれたとき