第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2
□布石
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「“ブイ”の準備はいいか?」
『最終チェックも済みました。いつでも出せます』
クロノは技官の答に頷き、艦内通信を切った。
クロノに与えられた任務は『ルシタニック』とガトランティス艦のサルベージだけではなかった。
フェイトやなのは達を保護したらしい地球防衛軍の“独立第13戦隊”とコンタクトできる環境を整えることだ。
彼らは任務遂行のためこの宙域に差し掛かった時、ガトランティス艦に襲撃されている『ルシタニック』を発見し、救援に来た。
言っては何だが、彼らにフェイト達を救ったのは“ついで”であり、優先すべきは軍命だろうから、管理局の捜索隊を待つ義務はない。
本局には彼らの行動――管理局の捜索隊を待たずに出発した――批判する声もあるが、彼らは救助隊ではなく戦闘部隊。あくまで自分達の任務が優先だろう。
『ルシタニック』に固定されていたメッセージボードには、帰路に再び立ち寄るとあったため、その時に連絡をとる手段は用意しておかなければならない。
まずは彼らとコンタクトをとれるか否かが問題だ。
少なくとも、地球防衛軍は次元間通信手段を持っていない可能性が高い。ならばこちらで用意するしかない。
用意した自律ブイ=通信ポッドは旧式のものだが、信頼性は高く、座標維持機能があるため、約300日はこの位置に留まり続けられる。
『放出準備完了しました!』
クロノは頷き、命じた。
「ブイ放出!」
クロノ達の望みを託された通信ブイは虚空に放たれ、ゆっくりと『クラウディア』から離れていった。
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