第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□三つ巴A
2ページ/2ページ


――イスカンダル・マザータウン沖――

「敵艦隊接近!」
「艦載機の発進を確認しました!」

旗艦である戦闘空母の艦橋中央に立つデスラーは、幕僚の報告にすぐ反応した。
「こちらも艦載機を出すのだ。護衛の中・小型艦を叩け!」

敵の針路上にはデスラー機雷を敷設してある。
中小型艦にはかなりの脅威になるはずだ。

「‥‥『ヤマト』に通信は繋がらないか?」
「応答はありません。敵が広範囲に強力なジャミングを仕掛けてきています」
「‥‥私の通信は太陽系に届いたはずだ。『ヤマト』は必ず来る」

デスラーは、好敵手が地球を発っている事を何ら疑ってはいなかった。
あとは時期の問題だ。

――まさか、予想外の事態で足止めされていた事までは想像してはいなかったが――。

もう一つは敵艦隊――盗掘者の片割れども――だ。
数ではこちらがやや上回るが、戦力水準はまだわからない。
ガミラス星の戦闘では、護衛艦の戦闘力は大した事はなかったが、それは完全な奇襲になったからと見るべきだ。

今こちらに向かっている艦隊には大型艦も相当数含まれている。
万全の態勢で来れば、こちらも無傷とはいかないし、ガミラス星から脱出した国民達を乗せている移住船団を丸裸にするわけにもいかない。
しかし――

デスラーは顔を上げて、スクリーンに映る敵艦隊を睨み据えた。

ガミラス星を消滅させ、イスカンダル星を漂流させることになった元凶をそのままにしておく事などできない。

あの艦隊を叩くのは当然だが、奴らの後ろ楯になっている国家/勢力には代償を支払わせる。
無論、奴らに拒否権など存在しない――。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ