第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□VS イスカンダリウム採掘船団@
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――『白根』艦橋――

「例の船団が、こちらの所属を問い質してきています!」

通信長のパクが所属不明船団からの入電を告げる。

「あちらさんは自分達の身元を明かしているか?」
「いえ。こちらの所属と目的を一方的に尋ね、回答なくば攻撃すると言ってきています」

あくまで自分達の事は名乗らぬつもりか。
こっちの事を知っているのか?
――いや、それはどうでも良い。

「本艦の艦名だけ名乗り、『知りたくば、まず貴隊から所属と目的を告げられたし』と回答してやれ」
「了解、返電します!」

相手のペースに乗せられてはならない。最初が肝心だ。

果たせるかな。

「例の船団より再度返電!『貴艦らは我が隊の任務を妨げてはならない。速やかに立ち去れ』です!」
「‥‥ほう?」

冴子の呟きに不穏な響きが混じる。
何とまあ、高飛車な連中だ。

「あちらさんの動きはどうだ?」
「護衛艦の一部が分離してこちらに向かって来ます。戦艦又は大型巡洋艦クラス1、巡洋艦クラス2、駆逐艦クラス6!速力28宇宙ノット、距離150宇宙`!」
「穏便に済ませる気はないのか‥‥」

護衛艦の動きを報告する三沢の言葉を受けて戦闘指揮席の松島がぼやいた。

「全艦針路そのまま、右舷砲戦スタンバイ。『水無瀬』は『ヤマト』の左舷につけ!
‥‥通信長、回答だ。『その任務とは如何なるものなりや?回答なき限り、我々は現進路のまま前進す』とな!」
「はっ!」

ま、十中八九、素直に答えてはくれないだろう。

艦橋に漂う空気は一段と張り詰めていった――。
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