第5章 (‘元’含む)魔法少女in地球

□太陽系へA
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…天の川銀河に戻った第13戦隊は、亜光速巡航とワープを重ね、太陽系内惑星軌道まで3光年の宙域に到達。翌日には太陽系帰還を控えていた、のだが‥‥‥。


──旗艦『白根』艦橋──

「‥‥やむを得ないか」
『連中の残党と遭遇する可能性が小さくない以上はな』
『残念ですが、仕方ないですね』

スクリーンに映る『ヤマト』『水無瀬』の首脳は一様に憮然としている。
それは『白根』ブリッジクルーも同じだ。

太陽系進入時に予定していた『赤道祭』を取り止めなければならなかったのだ。
『ヤマト』のイスカンダル航海を機に地球防衛軍に定着したこのイベントだが、今次航海は突然の予定変更→出撃と日程短縮のため、往路では開かれず、帰路に行うつもりだった。

しかし、その矢先に不測の事態が起きたため、中止を余儀なくされた。

その理由は、ガトランティス軍残党との遭遇戦が予想されているからだ。

再建途上の地球艦隊の全力をつぎ込んだ掃討戦で、太陽系内に蠢動していた敵残党はほぼ掃滅されたが、残存艦艇が絶望的な戦闘をしかけてくる可能性は否定できないのだ。

ましてやこちらには『ヤマト』がいる。
生き延びたガトランティス軍人にすれば、地球は

“我らの雄図を邪魔しただけに止まらず、偉大なる大帝を殺めた忌まわしき星”

にしか思えず、存在を消去しなければ飽き足らないだろう。

それがガトランティスの正義ならば仕方ないが、地球人からすれば、

“盗人の分際で逆恨みとは笑止千万”

以外の何者でもない。

しかし、ガトランティスの戦力のほとんどは征服下にあるアンドロメダ銀河にあるという以上、地球に攻め込んできたのは極一部に過ぎまい。

君主が斃れた事でガトランティスは混乱するだろう。
かの国の前途に地球は責任を持てない。
侵略国家から平和国家に改まってくれればいいが、それは身勝手な期待だ。
現実には、アンドロメダ銀河内でガトランティスの支配体制が瓦解し、地球への再侵攻を諦めてくれれば万々歳だろう。
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