第5章 (‘元’含む)魔法少女in地球

□地球に行こうA
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管理局本局からのあるプレスリリースに、ミッドチルダのマスメディアは色めきたった。

『ガトランティス帝国軍の襲撃で遭難し、かの帝国と敵対している某国防衛軍艦隊に保護されていたナノハ・タカマチ1等空尉他3名の身柄が返還され、今朝(ミッド標準時間)、本局に帰還。タカマチ1尉は遭難時に負った傷により、なおも加療を要する』
『タカマチ1尉と共に遭難し保護されていたフェイト・T・ハラオウン執務官は、本人の強い希望により帰還後すぐ新たな任務に就いた』
『ガトランティス帝国軍艦隊を撃退し、タカマチ1尉らを救出・保護した某国防衛軍とは、1慰らの身柄返還後も慎重に交渉を進めている』

――というもので、同時に公表された画像が管理局内外に衝撃をもたらした。

――エースオブエースですら、ガトランティス帝国軍には無力――。

車椅子に乗って下艦する高町なのはの姿は、事実を冷厳に告げていたのだ。


  ――ミッドチルダ首都、クラナガン――

陸士108隊部隊長室では、テレビニュースをほろ苦い表情で見る部隊長、ゲンヤ・ナカジマ3等陸佐がいた。

「一難去ったら大難来る、か‥‥」

ゲンヤの元にはプレスリリースより詳しい情報が届いていた。公私それぞれのルートで。

「如何なエースオブエースでも、宇宙空間を飛べというのは無謀だよなあ‥‥」

画像で見たなのはは毅然としているが、内心では『ルシタニック』の乗船者を救えなかった事実に打ちのめされたはずだ。
たとえ彼女には何等責められる点がなかったとしてもだ。

そして、

「また飛べるようになるのかねえ、嬢ちゃんは‥‥」

なのははJS事件で傷つき、未だその傷は癒えていない。
そこに今回の大怪我だ。
今度重傷を負ったら飛行資格剥奪を宣告されていると仄聞している。

今回は戦闘ではなく、彼女の意思とは関係ない。
“情状酌量”してもらえる余地はあるだろうが、腹部に重傷を負い、開腹手術を受けたという。

(一度開腹手術を受けた以上、100%のコンディションには戻れねえな‥‥)

もう一つの地球には光より速く移動できる位の技術力があるのだから、医療技術も相当進化しているのを祈るしかなかった。
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