第5章 (‘元’含む)魔法少女in地球

□地球に行こう@
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  ――『クラウディア』1号艇――

「ありがとー!」
「お世話になりましたー!」
「‥‥さよーならー‥‥」

『ヤマト』舷側に沿って微速前進する艇内で、ヴィヴィオ、コロナ、セルボは『ヤマト』に向かって手を振っていた。

一方『ヤマト』でも、展望室や甲板上からクルーがこちらに向けて手を振っている。

「大変だったわね、なのはちゃん」
「‥‥こうして迎えの船に乗れる事が奇跡です」

『ルシタニック』200人以上の乗船者の中で、助かったのは5人だけ。
『ヤマト』らが通りかからなければ、死者の列に並んでいた確率の方が遥かに高い。

更に、『ヤマト』に同乗してからはイスカンダル星追跡戦で宇宙戦争の一端に触れた。

非殺傷設定を嘲笑う、殺さなければ死んでしまう戦いをモニター越しとはいえ目の当たりにしたのは衝撃的だった。
管理局や次元世界も同様の理不尽な戦争の当事者になる可能性も出てきたのだ。

「‥‥だからこそ、私達は亡くなった人達の分まで生き抜く義務があるんです。シャマル先生」

自分達は生き残ったのではなく生かされた。
自分1人の人生ではないのだ。
この事は近いうちにヴィヴィオにも話し聞かせなければならない。

ただ、その前にやらなければならない事がある。
自分達は管理世界での価値観が通じない世界を垣間見た。
その事で様々な憶測を呼ぶだろうが、自分がその的になろう。
ヴィヴィオ達を守るために。

『間もなく《クラウディア》に到着します。ベルトをご確認下さい』

サウンドオンリーでコクピットにいる艇長の声が響いた。
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