第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2
□焦慮
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――ガミラス艦隊総旗艦『ドメル』――
敵要塞から放たれた超高エネルギー砲は、ガミラス艦隊右翼を斬り裂いた。
間髪入れずに要塞からは追い討ちの対空・対艦砲が放たれ、艦載機やデストロイヤー艦が次々と爆発四散していく。
「被害状況をまとめろ!」
「損傷のひどい艦は放棄。総員退艦させろ!艦長もだ!!」
「‥‥‥‥」
タラン以下の幕僚が右翼部隊の被害状況把握に奔走する中、デスラーは敵要塞――『ゴルバ』――を睨み付けていた。
今のが敵の主砲とすれば、少なくとも波動砲やフル規格のデスラー砲ほどの威力はない。
しかし、あれだけの巨体だ。それなりの規模の機関を持っているだろう。
威力はそこそこでも短時間で連射されれば我々もイスカンダルも壊滅してしまう。
デスラーは即断した。
「全軍後退せよ。デスラー砲発射用意!目標は敵要塞主砲のカバーだ」
敵要塞の装甲がどれだけのものかはわからないが、あれは砲身を迫り出してから発射した。
砲身を覆っている箇所は可動部もあり、相対的に防御力が低い可能性もある。
デスラーの指示を受け、『ドメル』の飛行甲板が回転するや、デスラー砲の砲身が迫り上がってくる。
『ヤマト』との戦闘で失われた2代目座乗艦のものほどの破壊力はないが、独自の技術改良で初代座乗艦ののものを上回る射程と装甲貫徹力を持たせ、更に収束・拡散を切り換えられるようになった。
この技術は地球にはまだなく、ガミラスの技術レベルはなおも地球を上回っている。
現在、工厰艦で機能を絞ったデスラー砲艦の建造に着手しており、いずれはデスラー砲の統制砲撃も行うつもりだが、スターシャ達の身に危機が迫っている今は出し惜しみするわけにはいかない。
「エネルギー充填急げ!」
デスラーの前にデスラー砲のトリガーが迫り上がってきた。
ガトランティス製の2号艦ではなく、1号艦についていたものと同型のガミラス式トリガーである。
ゆっくり歩み出てトリガーを握る。
「総員対ショック防御!」
タランが発射間近であることを告げた。
閃光遮断技術も地球より進んでいるため、ゴーグルを着ける必要はない。
「――発射!」
トリガーが引かれた一瞬後、デスラー砲から光の奔流が放たれた――。
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