第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□再暴走
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  ――『プレアデス』――

「ガミラス旗艦からエネルギー反応急速増大!‥‥無限α砲を上回るエネルギー量ですっ!!」
「何!?」

愕然とする幕僚をよそにデーダーは平静を装っていたが、内心は部下達と同じだった。
敵も決戦兵器を持っているであろう事は予想していたが、無限α砲を凌ぐエネルギー量は予想外だ。

しかし、今から無限α砲の照準を修正することはできない。

「うろたえるな!今の照準で発射せよ!」

デーダーは発射シークエンス続行を命じた。

「無限α砲、発射!」
「敵旗艦、発射しました!」

6隻6門の無限α砲とデスラー砲1門の発射はほぼ同時だった。
そして――

「超高エネルギー反応、来ますっ!」
「全艦、シールド最大出力‥‥っ!」

シールドを最大出力で展開するよう命じた直後、『プレアデス』と僚艦は光に包まれた。

「シールド、保ちませんっっ!!」

大型戦艦ゆえ強固なシールドを展開していたのだが、デスラー砲はあっさりとシールドを消滅させ、『プレアデス』を無機物と有機物の分子単位にまで分解してしまった。

「――――‥‥!」

デーダーは断末魔の叫びすら上げることなく、乗艦もろとも現世から強制退場させられた――。

――ガミラス艦隊――

デザリアム艦隊から放たれた無限α砲は、一部がデスラー砲の奔流に飲み込まれたが、残りは着弾し、少なくない数のガミラス艦が爆発四散した。

デスラー座乗の『ドメル』は被害こそなかったが、僚艦の爆発で生じた衝撃波に揺さぶられた。

「‥‥!?」
「な、何だ?あれは」

激しく揺れる『ドメル』の艦橋は騒然とした。

デスラー砲はメガホン状に拡大して敵艦隊中枢を飲み込み、大穴を開けた。

デスラー砲も波動砲も、直撃を免れても至近にある物を超重力や衝撃波で破壊してしまうのだが、スクリーンに映る敵艦隊は、どうみても巻き添えになりそうにない範囲の艦までもが次々と誘爆し、四散し始めていた。

(敵艦の構成材質とデスラー砲のエネルギーが触れることによって突発的に発生するのではないか?‥‥だが、分析するのは後だ)

今はたたみかけるのが先決。
デスラーは即座に命じた。

「この機を逃すな。盗掘者どもの残党をイスカンダルから追い払え!」
「はっ!」

デスラーの命令は直ちに艦隊に伝えられ、ガミラス艦隊は旗艦と司令官を失って算を乱したデザリアム艦隊に襲いかかった。
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