第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□三つ巴E
1ページ/3ページ


――『白根』――

「敵大型艦、爆沈っ!!」
「被害把握を急げ!」

刺し違えるつもりだったのか、小ワープで距離を詰めてきた敵の旗艦らしき大型艦に、3艦の十字砲火で引導を渡した。

(咄嗟に移動したのは正解だったな‥‥)

敵大型艦がワープインした直後に艦位を変えたため、13TFはワープアウトした敵艦の下腹を突き上げる位置になり、『ヤマト』『白根』『水無瀬』から放たれた十字砲火に、大型艦は遂に爆発四散して果てた。

「装甲の損傷・剥離がありますが、戦闘には支障ありません。死者・重傷者なし、軽傷6名!」
「『ヤマト』『水無瀬』からも損傷軽微、死者・重傷者なしの報告です」

三沢とパクの報告を受けた冴子はすぐさま指示を出す。

「よし。コルサック艦隊を援護する。全艦面舵15・上昇角8!」

『白根』『ヤマト』『水無瀬』は、コルサック艦隊に食い下がる敵小型艦群の側面に向かった。


――『水無瀬』――

「今度は小型艦が相手。『水無瀬』の出番よ!」
「「おう(はい)っ!!」」

艦長、ナーシャ・イリーナスカヤ・カルチェンコの檄に、ブリッジクルーも元気に応じた。

『水無瀬』らエムデン級哨戒巡洋艦は、地球防衛艦隊随一の探査・索敵能力を持つが、強行偵察任務等で敵の哨戒艦艇と遭遇することがあるため、自力で排除し安全圏に脱出できるだけの戦闘力は持っており、砲撃力なら標準型巡洋艦と遜色ないのだ。
そして、『水無瀬』のクルーの過半数は、白色彗星戦役で同型艦『九頭竜』を駆って複数の敵駆逐艦と渡り合い、ついには移乗白兵戦で仕留めるという荒業を演じた者達。

そして今度の相手は円盤型小型艦。機動性が高く、家畜にたかる虻(アブ)みたいなもので、『ヤマト』『白根』は意外に手こずるかも知れない。
なればこそ、蝿叩きとしての自分達がいるのだ。

「イスカンダルかガミラス本隊との通信は!?」
「申し訳ありません、ジャミングは幾分弱まりましたが、まだ安定しません」
「ならば、和文モールス通信をイスカンダルの古代艦長宛で連続打電して。

『弟サント愉快ナ仲間達ガ来マシタ』

とね!」
「わかりました!」

和文モールスなら古代 守がすぐ意味を解するだろうし、ガミラスも地球がモールスという通信手段を持つ事は知っており、英文モールスは完全に解読されているらしい。
和文モールスは一部しか解読できないだろうが、裏を返せばデスラー総統の呼びかけに地球が応えたことを知らせることになる。

艦長の意を解した通信長は直ちに和文モールスフォームを作成し、イスカンダルに向けて自動打電を始めた。

――その間にも、13TFはコルサック艦隊と相対する敵小型艦群の左後方に到達した。

「撃て!」
「発射!」
「てッ!」

たちまち虚空に新たな花火が広がった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ