第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□三つ巴C
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暗夜のごとき宇宙空間にぼんやりと浮かぶ蒼き星イスカンダル。
そこから程近い宙域に無数の光点が明滅していた。

「何たるザマだ!」

舳先(?)をイスカンダルに指向している艦隊――デザリアム帝国マゼラン方面艦隊――の旗艦『プレアデス』艦橋に、司令官デーダーの怒声が響き渡る。

機雷網を除去しようと護衛艦を前進させたまでは良かったが、敵ガミラス艦隊や艦載機も前進してきた。

そして艦載機は機雷網を易々と突破して機雷を始末しようとする我が護衛艦に攻撃を加えてきた。

さらに敵は中小型艦主体の艦隊を前進させ、機雷網を縫うように正確な砲撃を放ってはこちらの護衛艦を次々と撃破していく。

(実に忌々しいが、奴らの技量の高さは認めるしかあるまい‥‥)

デーダーは舌打ちしながら戦闘機隊をガミラス艦載機隊に当たらせるとともに、巡航艦(巡洋艦)からなる第12部隊に前進を命じた。

我が軍の艦船は防御重視で、巡航艦以上の大型艦はこれまでの交戦国の艦船と比較しても防御力が高い。

一方、ガミラス艦は見たところ機動力は高いが、防御力はさほどではない。

機雷網がある以上、こちらに突撃してくることはできまい。
砲撃戦で奴らの戦力を削り取ってやる。

スクリーンには、統制射撃を始めた第12部隊と、その先で爆発する敵の機雷と艦艇が移った。

「第3部隊は前進用意!」
デーダーは大型巡航艦からなる第3部隊にスタンバイを指示する。

第12部隊の巡航艦が標準タイプなら、第3部隊のそれはふた回り大きな大型艦で、攻防力は倍以上だ。
第3部隊で敵機雷網に穴をあけてやる。

「第3部隊、前進――」
「左手から、別動ガミラス艦隊と地球艦隊がイスカンダルに接近します!」

反転攻勢に出ようとした時、忌々しい報告が入った。
我が別動隊を叩き、イスカンダリウム採掘船団を追い払ったガミラスの別動隊と、ガトランティスのズォーダーを斃したという地球の小艦隊が一気にイスカンダルに接近してきた。

「うろたえるな!」

浮き足立った幕僚をデーダーは一喝し、新たな命令を下す。

「第8・第11部隊を差し向けろ!奴らを近づけさせるな」

隷下の部隊に迎撃を命じたデーダーだが、最優先事項は正面にいるデスラー率いるガミラス本隊の排除だ。
第8・第11部隊はその間『ヤマト』らを足止めしてくれれば良い。むろん、撃滅でもかまわない。

「本艦と第1・第2部隊を前進させよ!」

デーダーは意識を前方の目障りなガミラス艦隊に向け直した。
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