第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□VS イスカンダリウム採掘船団B
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艦隊の前列にいる旗艦らしき大型艦から放たれたオレンジ色の光の矢が『ヤマト』前方の空間を貫いた。

「砲撃開始!大型艦に火線を集中しろ!!」
「了解、撃ち方始めっ!!」

冴子の号令に松島が応え、『白根』『ヤマト』『水無瀬』の主砲が火を吹いた。

――一瞬の後、敵大型艦に火の手が上がる。

「敵大型艦に命中弾!」
「コルサック艦隊が敵小型艦隊と戦闘開始!!」

こちらの応戦開始と同時に、コルサック艦隊が敵艦隊に突撃し始めた。

「小型艦はコルサック艦隊に任せるんだ。我々は大型艦と中型艦を先に片付けるぞ!」

13TFも右に回頭し、旗艦らしき大型艦と直衛の中型艦に砲撃を加える。

敵大型艦は『ヤマト』に照準を定めているが、強力な波動障壁と分厚い装甲に阻まれ、有効弾を与えられない。
中型艦も撃ってくるが、『ヤマト』はもちろん、『白根』の装甲にダメージを与えるには至らない。

そして、『白根』と『水無瀬』からの砲撃を受けた中型艦が爆発炎上し、艦列から離れ始めた。

(防御力は高そうだな‥‥)

射程と破壊力はこちらのショックカノンの方が優位だが、旗艦らしき大型艦は炎上しながらも針路を維持している。
防御力重視の設計なのだろうか?

「コルサック艦隊の戦況はどうだ!?」
「小型艦部隊を突破。船団を攻撃中です!」

三沢の報告とともに、スクリーンにコルサック艦隊の陣形と軌跡が映し出される。

(‥‥見事な機動だ。鬼竜をして唸らせるかもな)

コルサック艦隊の練達の機動に、冴子は内心で賛嘆の声を上げた。

――2200年、『ヤマト』の留守を預かる国連宇宙軍は、土方 竜を司令官に据えて特務第1艦隊を新設したが、嶋津冴子は新鋭の植物級フリゲート『ゆうがお』の艦長を拝命し、土方の元で太陽系に残留したガミラス艦隊と矛を交えた。

彼らは徐々に追い詰められながらも、最後まで指揮系統を維持して頑強に抵抗し、時には内惑星圏(土星軌道より内側)まで侵入してきたが、その時も見事な艦隊機動を見せ、土方をして感心させたほどだ。
コルサック艦隊のレベルはあの時のガミラス艦隊以上かも知れない。

だが、今は敵艦を叩き、後ろにいる船団の尻を蹴飛ばして追い返すことが最優先だ。

「敵中型艦2と小型艦3、爆沈!」
「全ての火線を大型艦に向けろ。引導を渡してやれ!!」

あまり時間をかけるわけにはいかない。こうしている間にもイスカンダルは崩壊し始めているかも知れないのだ。

「照準固定!」
「撃て!!」

――狙い過たず、『ヤマト』『白根』の火線は敵の大型艦を貫き、爆発四散させた――。
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