第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2
□VS イスカンダリウム採掘船団@
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『我が隊はこれより正体不明の艦隊を追い抜く。総員戦闘配置につけ!繰り返す‥‥!』
総員配備を下令する古代の声とともにアラームが鳴り響き渡る。
「‥‥‥‥」
フェイト・T・ハラオウンは高町ヴィヴィオ、コロナ・ティミル、セルボ・アプリリアらと共に医務室で緊急一斉放送を聞いた。
戦闘配備になったら、自室か医務室にいるよう彼女達は指示されていた。
医務室などがある居住エリアは最も防御力が高いが、非戦闘要員で、かつ一度は死を垣間見た彼女達、特に子供達は精神的外傷が気掛かりであるからだ。
「嬢ちゃん達、本当に大丈夫なんじゃな?」
「「はい!」」
「‥‥はい」
佐渡はヴィヴィオ達に念押しした。
フェイト達を保護した時、嶋津冴子ら13TF首脳陣は、彼女達、特にヴィヴィオら子供達にこれ以上精神的外傷を負わせるのを警戒して、戦闘時は低温睡眠カプセルに収容することを検討していたのだが、当のヴィヴィオ達が大丈夫だと言って固辞した。
「ホントに大丈夫なの?3人とも」
彼女らの保護責任者的立場のフェイトは心配オーラを出しまくるが、無理もない。
彼女達はつい1週間前に危うく死にかけたのだから。
だが、ミッドチルダの子供達は意外にタフだった。
「うん。この『ヤマト』は大丈夫!」
ヴィヴィオはヤマトはやられないと言い切り、他の2人も賛意を示した。
「‥‥わかった。じゃが無理はするでないぞ。いいな?」
「「はい!」」
「‥‥(・д・)ノ」
2人ともそれ以上の説得を断念したが、佐渡はフェイトにある物を握らせた。
「‥‥先生、これは?」
「即効性安定剤入りの無針注射器じゃ。感情が不安定になったら腕でも首筋でもいいから密着させてボタンを押すんじゃ」
(え‥‥?)
“無針注射器”の一言にフェイトは内心で驚嘆した。
(‥‥無針注射器なんて、管理世界の医療メーカーでも、やっと動物での試験が始まったばかりなのに‥‥)
そこでフェイトはハッとした。
ということは、今なのはに使われている点滴装置も無針化されているか、極めて細く痛みがない針を使っているということだ。
フェイトは件の注射器を見る。
(TSUKIMURA‥‥月村!?)
この世界の月村グループは宇宙艦船のみならず、医療器具も手がけているというのか――?
フェイトの脳裏に、もう一つの故郷とも言うべき地にいる親友の顔がよぎった。
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