第3章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)
□いきなり出撃かい!?
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――好事魔多しとはまさにあの時だった――。
艦長居室に退がってひと風呂浴びた嶋津冴子は、シンプルなアンダーウェアを身に着けただけの姿で小型冷蔵庫からコーヒー豆乳の瓶を取り出し、栓を開けるやそれを口許に運び、ぐいと一息で煽った。
無論、両脚を肩幅位に開き、左腕を腰に添えた『銭湯スタイル』で。
ぷはぁと一息ついたその時、ベッドサイドの艦内電話が呼び出し音を立てた。
Sound-onlyで出るや、
『お休みのところ申し訳ありません、艦長』
ブリッジ当直に詰めている新人の三沢の声だ。かなり緊張した声だ。
「構わんよ、何があった?」
三沢からの回答は冴子の予想の斜め上を行くものだった。
『‥‥ガミラスのデスラー総統から、地球防衛軍司令長官と《ヤマト》古代艦長代理宛の電文をキャッチしました』
そんなバカな、等と切って捨てるようでは宇宙戦士の資格はない。
「わかった。すぐ行く」
通話を切るや否や、冴子は艦長用端末を操作し、士官乗組員総起床命令を発令した。
――5分後には『白根』『ヤマト』『水無瀬』のブリッジクルーが勢揃いした。
デスラーからだという電文は、13TF全艦で同時にキャッチされていたが、その内容は、歴戦の宇宙戦士たる彼/彼女らをして顔色を変えさせるものだった。
内容はこうだ。
『ガミラス星のマグマを盗掘している所属不明の船団を攻撃したところ、戦闘の最中にマグマが連鎖誘爆を起こし、ガミラス星が爆発・消滅した。
このため、イスカンダル星との引力バランスが消滅し、イスカンダルは軌道を外れて漂流・暴走し始めた。
イスカンダルはいつ崩壊してもおかしくない状態であるので、救援に手を貸してほしい‥‥』
ということだ。
「‥‥お前たちは(この通信を)どう思う?」
嶋津冴子は、スクリーンの先の古代と雪に問うた。
宛先の1人は古代であり、ここにいる顔触れの中で、デスラーと直に対峙したのは古代と雪だけなのだ。
現在、地球とガミラスは事実上の休戦状態だ。
ガミラスは本星が壊滅し、デスラーら生き延びたガミラス人逹は新天地探しに入っている。
一方、地球もまた白色彗星帝国との戦争で多大な打撃を被り、改めて再建を始めたばかり。
新国家建設に燃えるデスラーが、またもや地球に戦争を仕掛けてくる事は考え難いが、罠という可能性だってゼロではない。
しかし、イスカンダルがデスラーの言うとおりの状態なら、看過することはできない。
まずはこの通信の信憑性を確かめる必要がある。
先述したが、地球人でデスラー総統と直接相対したのは古代と雪だけ。
電文の信憑性を判断できるとすればこの2人しかいない。
しかし、古代は躊躇しなかった。
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