第3章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)
□悲劇の幕開け
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――ガミラス艦隊総旗艦(大型戦闘空母)――
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
目の前の光景を、デスラーはもちろん、タラン以下の重臣・将兵達を現実のものと認識するのに多少の時間を要した。
「‥‥我々の母なる星が‥‥」
絞り出すように呟いたデスラーが、ガックリと片膝を落とし、項垂れる。
「たとえ滅びゆく運命とはいえ、今しばらくはこのままの姿でいられたものを‥‥。
‥‥そして、このような残酷な結末を目の当たりにしようとは‥‥」
デスラーは現実に打ちのめされていた。
星としての寿命はほぼ尽きたとはいえ、そっとしておけば千年単位の余命はあったのだ。
そして、ガミラシウム盗掘を阻止しようと、所属不明の作業船団を攻撃したのが、結果としてガミラス星消滅の引き金になった。
ガミラス星を守るつもりが、命脈を完全に断ちきってしまった。一体何をやったのだ、自分達は?
タラン以下の重臣や将兵達も力なく項垂れ、瞑目する者もいれば嗚咽を堪える者もいた。
――盗掘者どもめ、このままでは済まさぬ。
デスラーの心に激しい憤怒が沸き上がりかけたその時だ。
「イスカンダルが、軌道を外れていきます!」
「!!?」
観測担当の兵士が動揺した声を上げ、デスラーも反射的に顔を上げた。
メインスクリーンに映るイスカンダル星が急速に小さくなっていく。
(!‥‥私とした事が、何たる失態だ!!)
デスラーは自分を罵った。
――ガミラスとイスカンダルは一緒に恒星サンザーを公転する二連惑星。どちらかが消滅すれば、引力のバランスが失われ、もう片方は簡単に軌道から外れるものだ。
そして、イスカンダルもまた、星としての寿命はもうないも同然。 地殻等もだいぶボロボロになっているだろう。
そんな状態で漂流を続ければ、星自体が崩壊するか、他の星と衝突してしまう。
そうなったら、スターシャは――!?
「追え。イスカンダルを追うのだ!」
デスラーは反射的に立ち上がり、追跡命令を下す。
――デスラーとガミラス艦隊の、短くも苦難に満ちたイスカンダル追跡行が始まった――。
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