第3章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)

□長征へ
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――天の川銀河・グリーゼ581星系辺境部――

年老いた星を中心とした恒星系の辺境部に、約200隻の艦船群が集結しつつあった。

艦体色を緑色にした艦の中にあって、1隻のみが赤いカラーリングをしていた。
その赤い艦船の後方上部にある艦橋に10人ばかりの男女が勢揃いしていた。
彼・彼女達は緊張した面持ちである一点を見ている。
その視線の先には、他の者とは異なる出で立ちの男が1人。

彼の傍らに控えていた壮年の男が彼に一礼して歩み出た。

「将兵諸君。只今よりデスラー総統よりお言葉をいただく」

男――大ガミラス帝国総統・デスラー――は軽く頷くと一歩前に出、口を開く。

「我が忠勇なる将兵諸君。我々がガミラス大帝星を離れてより1年余りを経過した」

その声には些かの疲れも淀みもない。

「しかし、我々は決して徒に宇宙をさすらっていたわけではない。
大ガミラス帝国の再建とガミラス民族の復興。この2つの宿願を果たすためである。
‥‥諸君、この宇宙は広大である。我々の新国家を築くに足る惑星は必ず発見されるであろう!
故に、十分な戦力を増強し、来るべき時に備えなければならない。
揺るぎなき本星を築き、偉大なる我がガミラス帝国を、この大宇宙の盟主とするのだ!!」

力強く国家再興を宣言したデスラーは、ここでひと呼吸置いて再び口を開く。

「これより我が母なるガミラス星に立ち寄り、別れを告げた後、新天地への大航海を始める。
将兵諸君のこれまでの労苦に感謝するとともに、今一層の忠誠を期待する」

各艦の兵士が沸いた。

『万歳!』
『デスラー総統万歳!』

デスラーが兵士達の歓呼に応えて右手を上げると、歓声はピタリと止む。

デスラーは改めて口を開く。

「全艦、ガミラス星に進路を取れ!」

ガミラス艦隊と、後方に続く巨大な宇宙船群――コールドスリープ状態にしたガミラス国民達を乗せた超長距離移民船や工厰艦、補給艦等の支援艦船群――は、老いたガミラス星がある大マゼラン銀河・サンザー恒星系に舳先を向けた。

――彼らはさらに各星系からの艦隊や船団を糾合し、さらに数を増やしていった――。
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