第2章:侵掠の彗星2plus(白色彗星帝国戦役〜インターミッション)
□諦めざる者達の戦い15
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ミハロビッチと古代が先頭で進んできた地球側の突入隊は、次第に数を減らしながらも中央動力炉に近づいていた。
が、突然の熾烈かつ正確な射撃で10人余りが撃ち斃された。
「伏せろ!今までの奴らとは違う!!」
ミハロビッチが命じるとともに全員が身を低くしたが、数人の空間騎兵隊員が返礼とばかりに突撃銃からグレネードを発射。敵兵数人が吹き飛んだ。
「地球の虫けらどもが、ここが貴様らの墓場だ!」
一目で指揮官とわかる、グリズリーみたいなガタイの男が立ち上がって声を上げる。
ガトランティス語ゆえ完璧に理解はできないが、地球側も大体の意味は理解した。
「芸がねぇなあ」
「驚いたな、人語を話す緑熊がいるぜ」
無論、地球側、特にアメリカ海兵隊出身者が多いミハロビッチとその配下は負けていない。口撃はお手の物だ。
「熊が人の言葉をしゃべるなよ。おとなしく蜂蜜でも舐めていやがれ!」
「超過勤務なんかしてねぇで、テメーの女の股の心配した方がいいんじゃないかぁ?消耗品の帝国軍兵士諸君よぉ!?」
等々、下品・下卑た言葉を中指を立てながら哄笑まじりに返す。
「‥‥おのれ、皆殺しにしてくれる!」
どうやら敵から口汚く罵倒されるのに慣れていないのか、熊男はレーザー機銃を乱射する。
「どうやら、言い返されることには慣れてないようだな、あの緑熊」
物陰に隠れながら、ミハロビッチはニヤリと笑みを浮かべた。
「言っちゃ何ですが、奴らは完敗っつーもんを知らないんでしょうね。テレザートで戦った連中もそうだった」
斉藤も同じ事を言う。彼はテレザート星で敵の戦車兵を叩き出して戦車を乗っ取ったり、総指揮官とガチで戦い、格闘の末斃した経験を持つ。
「なるほどな。だが、恐らく奴らは近衛部隊だろう。萎縮はノーだが、過小評価は断固ノーだぞ」
皆を戒めるようにミハロビッチが言い、古代以下の面々は無言で頷く。
「さて、熊狩りといくか」
皆の反応に満足気に頷いたミハロビッチは表情を改め、突撃銃の残弾を確認した――。
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