第4章:いざイスカンダル!そして‥‥(イスカンダル救援作戦編)その2

□三つ巴C
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地球13TFは全速力でイスカンダルとの距離を詰める。

最優先事項はスターシャと古代 守の救出であり、戦闘ではない。
デスラーもまた目的は同じであろうから、それを信じてここまで来た。
しかし、未だスターシャやデスラーとも通信が繋がらない。

戦闘の光点が明滅しているから、イスカンダリウム欲しさにきた連中とガミラス艦隊の戦闘は未だ続いているようだが、戦闘はちょっとしたことで戦況が一変するし、星の寿命が尽きかけているイスカンダルの地殻は脆く、いつ破局崩壊が起きてもおかしくない。

ゆえに

『今はお前達の相手をする暇はない!』

というのが、嶋津冴子以下13TFスタッフの思いなのだが、モニターに表示された彼我の進路は、5分後に交差すると告げていた。

「速度・針路はそのまま。全砲門・発射管開け。波動雷撃戦用意!」
「主砲1番2番、副砲スタンバイ。発射管1番・3番に波動魚雷を込めろ!」

冴子の指示を受け、副長兼戦術長の松島が砲雷撃戦の最終準備を下令した。


――『水無瀬』――
「イスカンダルとはまだコンタクトできないの?」
「申し訳ありません、まだジャミングを解除できていません!」

艦長のナーシャ・カルチェンコが通信長を質すが、色よい回答は戻ってこない。
「わかったわ。そっちは中断して、戦闘通信に集中してちょうだい」

13TFで最も通信・探査に長けた『水無瀬』でもなかなかコンタクトできない以上、中断もやむなしだ。

「主砲1番から3番、敵艦隊先頭集団に照準!波動砲スタンバイ!!」

副長兼戦術長の篠田 巌もすかさず砲戦準備を命じ、さらに波動砲スタンバイも指示した。
すぐに艦首上下の2連装ショックカノン砲塔が右旋回し、敵艦隊を指向する。

『白根』からは波動魚雷戦用意と指示が出ているが、状況によっては波動砲戦もあり得る。
いつでも撃てるようにしておくに越した事はない。


――『ヤマト』第1艦橋――

「敵艦隊との接触まで、あと4分!」

彼我の位置を測る太田の報告が飛ぶ。

「主砲・副砲の照準を敵艦隊先頭集団に固定。自動追尾開始!!」

戦術長の古代は愛機(コスモゼロ)に搭乗しているため、通常は砲術長の南部康夫が指揮を代行するのだが、今戦闘指揮席にいるのは新人の北野 哲だ。

アステロイドベルトでの初訓練では味方を誤射しかける大ポカをやらかし、やはりボーンヘッドをしでかした坂本共々、パンツ一丁で艦内マラソンという目に遭ったが、その後の訓練では持ち前の冷静さを発揮していたこともあり、敢えて戦闘指揮を委せてみることになった。
無論、この措置は冴子も同意済みだ。

『ヤマト』の第1・第2主砲と第1副砲が仰角をかけながら右に旋回し、接近する光点を指向した。
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