銀河へキックオフ!!
□口内炎シリーズ
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彼は優しい。
その彼の優しさが時々ちょっぴり距離を感じてしまうのはなぜ。
「いたっ…また口内炎だよ」
「梓さん大丈夫ですか。これで2個めですか。」
「うん。治ってきたかと思ったらまたできるなんて」
「口内炎はストレスも要因ということを知っていますか。:
「知らなかった。でも、私ストレスなんて感じてるのかな?」
梓の言葉に竜持は顔を曇らせる。
「梓さん、僕たち少し会う機会を減らしませんか?」
「え?」
梓は竜持の言葉に面食らったようで、表情がなくなる。
竜持は硬直している梓に「では、これで」と別れを告げた。
「どういうことよ?」
その日、梓は竜持に何件も電話とメールをしたが一向に返事は返ってこなかった。
―翌朝
「おはよ」
「…おはようございます」
ぎこちない竜持の挨拶に梓は俯く。
竜持はほっとしたように胸を撫で下ろす。
「私のことが嫌いになったなら言ってよ!!
理由も聞かずに距離を置こうって言うのはあまりにも酷過ぎるよ竜持」
一生懸命に涙をこらえ、握り拳を作る梓。
竜持は、そんな姿を見て1つ溜息をつき、梓を抱き寄せる。
「嫌いになんてなりませんよ。僕はただ梓さんのストレスに…」
「そっちの方がストレスだよ。もうこんなのヤダよ」
「ごめんなさい、でも僕は知っていますよ。
僕のために試合相手の情報分析を遅くまでしているのを。
だから、僕はあなたの負担にならないように」
「私が勝手にしたくてしているの。
だから、竜持は私のストレスじゃない。
この口内炎は竜持が好きって気持ちの証だと思って」
涙目で懇願する梓に竜持はたまらず、また溜息を吐くと、
「梓さん、わかりましたから。しかし、条件として…」
ぼそ
「ばかっ///」
大好きなあなたの痛がる姿を見て僕は少なからず興奮してしまうので、
これ以上僕のために頑張らないでください。
「ね」
あなたはとても優しい。
しかし、優しすぎてちょっぴり距離を…
―おまけ―
「竜持、アレわざとだろ?」
「いやですね、鳳壮君。僕はそんな性格悪くはありませんよ。」
「「((嘘だな))」」
実は兄弟は兄弟にしか真相はわからないのだ。