火拳、第二の人生なり

□5 火拳、力の片鱗を見せる
1ページ/1ページ

午前の勉強時間が終わった時、俺は死んでいた……
こんなに勉強をすることは初めてだったからだ。
つまり、力尽きて燃えかすになったのだ。
隣を見ると、カナタも燃えかすになっていた。
………こいつは、俺と同じ【バカ】のにおいがする………

机に突っ伏していると、マリナさんが部屋に入ってきた。

「皆、勉強を良く頑張ったわね。さぁ、昼ご飯を食べましょう!皆食堂に集まって!!」

マリナさんのその言葉に全員がダッシュで食堂に駆け込んだ。
どうやら皆、勉強で体力や気力を消耗したことにより、そうとうお腹が空いているようだ。

食堂に着くと、そこには美味しそうなご飯が並んでいた。
全員が席に着き、朝と同様にマリナさんの号令で食べ始める。

俺はご飯を食べることで、勉強によって消耗した体力や気力を回復した。
ついでに、俺の癖については、もう誰も突っ込まなかった。
朝ので皆慣れたらしい……
どうやら皆、順応力が高いようだ。

午後は、身体能力の訓練をする時間だ。
皆それぞれ自分のメニューを開始する。
俺は取り合えず、マリナさんの指示を仰ぎに行った。

「エース君はまず、念を覚えるのにふさわしい身体能力を持っているかチェックします。最初にランニングであなたの体力を測りましょうか。」

「了解!」

俺は3時間以上走り続けた。
これぐらいじゃ、汗なんて出ない。

「終了!体力は全く問題ないわね。次は腕力を測ります!ここにあるダンベルを持ち上げてもらいます。重さの最高は2トン。特別製でもこれ以上は無理だったからね……」

俺は並べられているダンベルを見た。
どうみても、2トンあるようには見えない。
取り合えず、俺は2トンのダンベルを持ち上げた。

スイッッ

「!?」

………普通に持ち上げられた………
マリナさんは驚いているようだが、これぐらいは余裕だ。

「……腕力もOKね。最後にあなたの武術の力を測ります!そうねぇ、エース君はカナタ君と仲がいいみたいだから、カナタ君と組手をしてもらいましょう。カナタ君ー!!エース君と組手をしてくれないかしら?」

「分かりました!」

俺とカナタが向き合う。
マリナさんの合図により組手を始めた。

……一瞬で片が付いたが………

まぁ、当然だろう。
海賊の俺に一般人に少し毛が生えたような人間が勝てるはずがない。
カナタは、見た目年下の俺に負けたことにショックを受けているようだ。

「子供達の中で一番強いカナタ君をこんなにあっさり負かすなんて……エース君、あなたは合格よ。早速今晩から念の訓練を始めましょう。」

「はいっっ!!」

やっと念の訓練を始められる……
楽しみだな………

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ