火拳、第二の人生なり

□3 火拳、新たな力を知る
1ページ/1ページ

俺はあの後、孤児院の子供達に紹介された。
そこにいた子供達の人数は思っていたよりも多かった。
赤ん坊からだいたい15歳位までの子供が40人くらい。
この小さな施設には不似合いな人数だ。
マリナさんに何でこんなに多いのかを聞いてみると、このヨークシンはマフィアとかいう賊が多く、そのマフィア達の抗争に巻き込まれ親を失った子供達がたくさん集まったからだと知った。
ついでに海賊はいるのかと聞いてみると、少しはいるけど昔程ではないらしい。
何だか違和感を感じた。

孤児院の子供達は入ってきたばかりの俺にとても良くしてくれた。
孤児院の子供達と接しているうちに気づいたことだが、ここにいる10歳以上くらいの子供達の動きが洗練されている。
どうやらここでは、戦闘訓練もしているようだ。
まぁ、話によると、結構物騒な場所のようだから、ある程度の力は必要だろうな……
俺は漠然とそう感じた。

そんなこんなで、目が覚めてからの孤児院生活一日目は終わった。





次の日は、日が登ってすぐに起こされた。
はっきり言ってとても眠い…………
言われていた場所に行ってみると、そこには昨日見た孤児院の子供達の中でも特に動きが洗練されていた子達が集まっていた。
疑問に思って、近くにいた孤児院の子に聞いてみると、この時間帯は限られた子達しかできない訓練をするめの時間らしい。
どうやら、マリナさんが俺に教えてくれようとしていることは、一般人には知られてはいけないようだ。
そんなことを考えているうちに、マリナさんがやって来た。

「皆おはよう。さぁ、訓練を始めるわよ。エース君以外はいつものをやっておいて。エース君はこっちに来て。」

「「「「はいっっ!!」」」」

孤児院の子供達は指示どうりに動く。
俺もマリナさんの方へ歩いて行った。

「エース君にはまず最初に、今の時点でのあなたの身体能力やできることを教えてもらいます。」

それを聞いて俺はふと思った。
今の体は12歳程度である。
俺がこれぐらいの年齢の時はまだ、悪魔の実を食べていない。
つまり、今俺が炎人間かわからないということだ。
一応、タトゥーなどは残っているから、使えるかもしれないが。
俺は試しに火拳を使って見た。

ボッッ

「!?」

俺の手に炎が灯る。
マリナさんは非常に驚いている。
俺は安心した。
今では俺の当たり前になっていた能力を失わずにすんで。
これでわかったことは、俺の体は12歳の頃に戻ったのではなく、縮んだということだ。

「……纏がされていないから‘念’ではないわね…………エース君、これはどういう能力かしら?」

「これは俺の世界の能力で悪魔の実っていうものを食べることで発生する。俺は“メラメラの実”っていう悪魔の実を食べた“炎人間”なんだ。」

「凄いわね……この能力と念があったら………凄いことになりそう………」

マリナさんは何かを思案しているようで独り言をつぶやいている。

「というか、さっきから出てくる‘念’ってなんなんだ?」

「え?あぁ、まだ説明していなかったわね。‘念’っていうのは、簡単に言うとこちらの世界の超能力ね。しかも誰もがその素質をもっている……まぁ、才能の差とかはあるけどね。そして、人それぞれどんな能力になるか変わるわ。」

………すごいな……
そんなのがこの世界にはあるのか………

「ってことは、もしかしたら俺の能力が元の世界に戻れるものになるかもしれないってことか??」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないわ。人それぞれ自分にあう系統ってものがあるから、あなたにあえば作れるかもね。まぁ、そうじゃなくても、この世界のどこかに異世界に渡れる能力とかがあるかもしれないでしょ。………可能性の範囲だけどね。」

俺はそれを聞いて俄然やる気が出た。
もし俺の能力では無理でもこの能力とメラメラの実の能力を足せば今より絶対に強くなれるからだ。
せっかく元の世界に戻ってもすぐに死んだら嫌だしな。


こうして俺の念修行が始まった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ