機械オタク、魔法界に参上!

□6 グリフィンドール生
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あの魔法薬学の授業から数日、さすがの俺も授業に出る気になり、久しぶりにドラコたちと朝食を取りに行くことにした。

まぁ、持ってきたゲームのほとんどを全クリしてしまったことが主な原因だが…

しかし、俺は寮を出てすぐにドラコたちと朝食にきたことを後悔した。

なぜなら、他寮からの視線が痛いのだ。

全くこいつは……入学してまだ間もないというのに、よくこんなに嫌われることができるな……

こんなことを思っていることがドラコにバレたらきっとこう思うに違いない。

入学した次の日からサボりまくる奴よりましだと。

ついでに、先生たちにはとっくに仮病だとバレているようで、シモンは要注意人物として先生たちにチェックされている。

しかし、明確な証拠がないので、シモンは罰せられたりしていない。

はぁ……今度からドラコと寮の外で一緒にいるの辞めようかな……?

俺はそんなことを考えつつ、ドラコたちと歩いていると少し遠くにフレッドとジョージがいるのに気づいた。

「おーぃ!フレッド!ジョージ!!」

俺が双子に呼びかけると、二人はこちらに気づいて俺たちのところに近づいてきた。

ドラコはそれを見ると、顔を歪め

「シモン、先に行くぞ。」

と言って手下たちを連れて離れていった。

「「よっっシモン!!久しぶりだなー……君、入学した次の日からずっとサボってたんだって?」」

双子は見事に声を揃えて話かけてくる。

「ずっとじゃねーよ!一回は出たぜ。授業!!」

「いやいや、それはほとんどずっとだろ……」

「つーか、何してたんだ?君が病気とかあり得ないから、仮病だろ?」

「失礼な奴だな……俺だって人間なんだから病気になったりするぞ?」

俺がそう言うと、双子は顔を見合わせ

「「君が人間だったなんて始めて知ったよ!!」」

など、ふざけたことをぬかすので、一発ずつおみまいしてやった。

「そんで、何してたんだ?ずっと寝てたわけじゃないだろ?あのスネイプの授業で寝てたらしいからな。」

どうやら、俺がスネイプの授業で寝ていたことは有名になっているらしい……

「そんなのゲームに決まってんだよ?それ以外ありえんだろ。」

双子は揃って爆笑しだした。

「「あははははっっ!!君ってやっぱ面白いね!授業にも行かずにゲームとかっっ」」

そんなに面白いことなのか?

俺には、分からん………

「そうだ!相棒!!俺、良いこと思いついた!」

「相棒もかい?俺もなんだよ!!」

「「シモン!俺たち“悪戯仕掛け人”の仲間にならないかい!?」」

俺は驚いた。

俺はまだ、そこまで仲良くなったとは思っていなかったからだ。

「……本気で言ってんのか?」

「「もちろんさ!!君となら面白いことができそうだしね!!」」

たしかに、こいつらとなら面白いことができるかもな……

ちょうど、ほとんどのゲームをやりきったところだし……

「うーん……たまにならそーいうのも良いかもな。」

「「それじゃぁ、決定!!」」

こうして、俺は悪戯仕掛け人の一員になった。







それから俺たちは、悪戯の打ち合わせをする時間を決めてから別れた。

大広間に着くと、スリザリンの席にドラコたちがいない。

見渡してみると、ドラコとハリーが争っている。

近くにネビルがいることから、これは思い出し玉のシーンだろう……

げっっ……

今日はあの飛行訓練の日かよ……

やっぱ今日もサボろう……

めんどくさい原作には関わりたくねーしな。

そんなことを考えていると、ドラコが手下たちをつれてこっちにやって来た。

どうやら、争いは終わったらしい……

「シモン、悪いがここは非常に不愉快なのでね。先に行かせてもらうよ。」

ドラコはそれだけ俺に言うと、さっさと大広間から出ていった。

ふと顔を上げると、ハリーと目が合う。

「よっ!ハリー!!」

俺が声をかけると微妙そうな顔をされた。

やっぱり、スリザリンの名は、それだけでグリフィンドール生にはマイナスのようだ。

「おい!ハリーあいつと知り合いかよ!?あいつはスリザリン家でスリザリン生だぜ?」

ハリーの隣にいたロンがハリーに問う。

ハリーは曖昧に

「う…うん………」

とだけ答えていた。

「ひでーなぁ……ハリー、忘れたのかよー?」

俺はハリーが俺の名前などにより敬遠していることに気づきながらも、気づいていないふりをした。

やっぱり、英雄ハリー・ポッターと仲良くするのが一番印象が良くなるからな……

俺の打算的な考えに気づかないハリーは

「あっいや、その……覚えてるよ、シモン……。」

と戸惑いがちに応えた。

「なら良かった!隣にいるのは、フレッドとジョージの弟だよな…?俺はシモン!よろしくな!!」

俺がそう言うと、ロンは目に見えて驚いていた。

「へっ!?……僕はロン……」

ロンは警戒しながらも、俺に名前を名のってくれた。

「よろしくな!ロン!!」

俺はロンの警戒を解かせるように、あの時スネイプに向けてした笑顔並のキラキラさを纏いながら言った。

「あっその……僕たちもう朝食食べたから行くね?」

俺は ちっっ逃げられたか……

と思いつつ笑顔で

「あぁ、またな!!」

と言った。

そう言った瞬間、ハリーたちはいそいそと大広間をあとにした。

ふぅ………

まだ仲良くとはいかないか……

まぁ良い。まだまだ時間はある。

少しずつ警戒を解かせていくか。

俺はスリザリンの席に戻り朝食を食べることにした。

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