機械オタク、魔法界に参上!

□3 汽車での旅
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ザワザワザワ……

酷い人混みの中、俺は沢山の荷物をカートに乗せ歩いていた。

そう、ここはキングズ・クロスだ。

つまり、いよいよホグワーツ入学の日がやってきたのだ!!

ついでに、今日はマルフォイ家の方々とは来ていない。

もちろん、ドラコには一緒に行こうと誘われたが

「お前の手下その一、そのニと同じコンパートメントは、密度が高すぎてムリ!!」

と言って、きっぱりと断った。

それ以外の理由としては、同じコンパートメントになったら、ハリーにさらに嫌われるあの場面に遭遇する確率が上がるということかな。

今日は目覚ましを何個もかけ、いつもより早く起きたので、余裕を持って駅に着くことができた。

そのおかげで、コンパートメントは楽に確保することができた。

只今の時間は10時30分。出発まであと30分もある。

俺は早速、マグル界で買ったゲームをすることにした。

やはり、マグル製の機械は素晴らしい………

俺は夢中になってゲームをプレイした。

「おっっ このコンパートメント1人しかいないぜ!他はいっぱいだし、ここに入れてもらおーぜ、フレッド!!」

「そーしよう!俺、リーを呼んでくるな!!」

何か大きな声が外から聞こえた気がする。

しかし、今、俺の神経の全てはゲームに注がれている!!

「一緒にコンパートメント入れてもらってもいいか?他のコンパートメントはいっぱいでさー」

ピコピコバキューン……ピコピコ……

「おーい、聞こえてるかー?」

ピコピコ……ドドンッッ……ピコピコ……

「おいっっ!!人の話を聞けよっっ!」

ピッッ……ダダダーン………

俺の目の前にゲームオーバーという文字が広がる……

「くそっっ!お前のせいだぞ!!お前のせいで……お前のせいで……アルスは死んだんだ!!」

「は!?」

「お前が俺に話しかけてなんかこなければアルスは生きてたんだ!どーしてくれるんだよ!?」

俺の言葉に俺に話しかけて来た少年は酷く動揺している。

「いっいや、俺はただ、コンパートメントの相席を頼もうとしただけで……」

「そんなのかってに座っとけよ!……全く、ゴールドが半分になっちまったじゃねーか……」

「えっ…?ゴールド……?」

少年は何がなんだか分からないようだ。

俺は親切にも、この少年がどんなに大きなことをしでかしたのか教えてあげることにした。

「……あははははっっ、アルスってマグルのゲームのキャラかよ!!君、面白いなっっ というか、ゲームオーバーは俺のせいじゃなくて自分のせいだろ!ほんと、面白い!」

「いや、どう考えてもお前のせいだね!というか、お前誰?」

「あぁ、自己紹介がまだだったね。俺の名前はジョージ。ジョージ ウィーズリーさ。」

ジョージ ウィーズリーだと?たしか原作に出てたよな……?

それよりも!重要なのはあのウィーズリー家ということだ!!

「ということは!!先輩はあのアーサー ウィーズリーさんのご子息なんですね!!いいなぁーお近づきになりたいです!!!」

「へっ…?あ、いや、たしかにそうだけど……なんか、さっきまでと別人じゃないか……?というか、あのってなんだよ?」

「アーサーさんは僕の心の師匠なんです!!ぜひぜひ今度紹介してください!!」

そう。俺は心の底からアーサーさんを尊敬している。

血を裏切る者と罵倒されてもマグルを愛し続けているあの姿に!!

「えっ……あっあぁ分かったよ。それより君の名前は?あとその口調は君がするとなんだか気持ち悪いから辞めたほうがいいと思う。」

なんて失礼な奴なんだ!!

アーサーさんのご子息だから、敬意を払ったというのに!

これからは、アーサーさんだけに敬意を払うことにしよう。

「……んじゃ辞めるよ。俺はシモンだ。絶対にアーサーさんに紹介してくれよ!」

念を押してもう一度言うと、ジョージは若干引き気味に頷いた。

ガラッッ

コンパートメントの扉が開く。

「「お邪魔しまーす!!」」

中に入って来たのはジョージと同じ顔……つまり、フレッドと予想される少年とドレッドヘアーの、このメンツからリーと予想される少年が入ってきた。

「あっ、紹介するな!見ての通り俺と双子のフレッドとこっちのドレッド頭はリーだ!こいつらも相席させてもらってもいいか?」

「あぁ、いいよ。俺はシモンだ。よろしくな。」

それから俺たちは他愛のない話をした。

途中、リーが、でっかいタランチュラで脅かしてきたが、もちろん仕返しはさせてもらった。

「そーいえば、シモンは新入生だよな?どこの寮に入りたいんだ?」

「スリザリン以外!!」

俺は即答で答えた。

あまりの早さに三人はビックリした。

「へぇー……やっぱマグル生まれにスリザリンはきついからなー………」

「え?俺、マグル生まれじゃないけど…?というか、マグル生まれだったらアーサーさんのこと知らないだろ。」

俺はジョージにそう言い返す。

ジョージは あっそうか! というような表情を浮かべた。

「いやぁ、そんな高度のマグルのゲームをあんなに夢中でやってたからさ。マグル生まれだと思い込んでたわ。んじゃ、純血主義が嫌いなんだな。」

「もちろんだよ!あんな素晴らしい技術を持っているマグルを毛嫌いするなんておかしいよ!!俺の保護者が純血主義で俺の一族が純血主義だろうと俺は純血主義なんてありえないって思ってるし!」

「そりゃぁ大変だな。しかも一族が純血主義ってことはほとんど全員がスリザリン生だっただろうしな。頑張れよー!!組み分け、グリフィンドールに来たら歓迎してやるよ!」

「その時はよろしくな!!」

コンコン

「どーぞ。」

「お前たち、もうすぐホグワーツだぞ。さっさと着替えろよ。」

どうやら、隣のコンパートメントの人が親切に伝えに来てくれたようだ。

「サンキュー!よし、着替えるか。」

俺たちはホグワーツの制服に着替えた。

俺の体より少し大きい制服。

マダム マルキンが体の成長も考えて作ってくれたのだろう。

着替え終わると、ちょうど駅に着いたようだ。

「新入生は俺たちと違う道だから、ここでお別れだな。じゃぁ、君がグリフィンドールになるのを期待しとくよ!」

「あぁ、またな!」

俺は三人が行った後、ハグリットがいる方へと向かった。

……いよいよ、運命の組み分けだな……………何としてでもスリザリン以外になるぞ!!

俺はそう心に刻んだ。

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