機械オタク、魔法界に参上!

□2 主人公との対面
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ピピピピピーッッ!!

マグル製の目覚ましの音が鳴り響く。

俺は手探りで目覚ましを見つけ、スイッチを切ってから2度寝をした。

しばらくして時計を覗き込むとまだ9時15分。

マルフォイ家との待ち合わせ時間は9時だ。

………あれ?時間すぎてね…?

ドドーン!!

1階の談話室から大きな音が聞こえる。

談話室といえば、暖炉。暖炉といえば、煙突ネットワーク……

「シモンー!!待ち合わせ時間はとっくにすぎてるぞ!どうせ君のことだから、寝坊でもしたんだろ……さっさと準備しろよっっ」

ハゲ頭のドラコの声が響く。

いや、まだハゲてはいなかったな……

「すまん、すまん。今から準備するよ……」

俺は手早く準備をし、談話室へと行った。

「全く君は……少しくらい気をつけたらどうだ?いつもみたいに僕だけならまだしも、今日は父上と母上もいるんだぞ!だいたい 「すまんすまん、次は気をつけるよ。」……」

ドラコはまだ不満を言い足りないようだったが、そんなの全て聞いていたら、日が暮れてしまうと判断した俺は、早々にドラコの愚痴を切り上げた。

俺は暖炉の近くに置いてあるフルーパウダーを一掴み取ると

「マルフォイ邸!!」

と叫んだ。

何度やっても好きになれない浮遊感を感じたあと、目の前に広がっていたのは見慣れたマルフォイ邸だった。

俺に続いてドラコも暖炉から出てくる。

「おはようございます、ルシウスさん、ナルシッサさん。約束の時間に遅れてすみません。」

「あぁ、おはよう、シモン君。全く君はいつも遅れるのだね………」

ルシウスさんはすでに呆れ顔だ。

俺に何を言っても意味がないと感じているのだろう。

今まで主にマグル関係で散々俺に文句を言って来たが、俺は聞いた試しがないしな。

だが、今回のように俺に非がある時は俺もちゃんと聞くのにな……

「本当にすみません……」

俺はもう一度謝った。

マルフォイ家の方々は意外そうな目で俺を見てくる。

こいつら、俺のことどんな奴だと思ってんだよ…………

俺だってさすがに常識くらい持ち合わせているぞ……

俺はついついジト目でマルフォイ家を見てしまった。

「ゴホンッッ……では、ダイアゴン横丁に行くとするか!」

そう言ったルシウスさんの言葉に皆はしたがった。











ダイアゴン横丁は数年前と同じくらい活発だった。

いや、ホグワーツ生が学用品を買いに来ているから前に来たときよりも賑わっているかな……

俺の久しぶりのダイアゴン横丁での感想はそれだけだった。

俺は主に通販を利用している。

だからあまりダイアゴン横丁には来ないのだ。

マグルの街にはよく行くけどな。

最後に来たときは確か自分の杖を買ったときかな?

「お前たちはさきに制服を仕立てに行きなさい。教科書は私たちが買っておくから。」

俺はルシウスさんの言葉に甘えることにした。

全部自分で買うのは面倒だしな。

俺とドラコはマダム・マルキンの洋装店へと向かった。

あれ?そーいえば原作ではここでハリーとドラコの初対面だよなー……

俺その場面にいていいのか?

いや、スリザリン家の末裔とか、原作にいなかったイレギュラーがいる時点でもう変っているか……

俺は自分をそう納得させた。

店の中に入ると、俺たち以外の客はいなかった。

「坊っちゃま方、今年ホグワーツに入学かい?」

「はい。なので、制服の仕立てをお願いします。」

「わかりました。では、この踏み台の上に乗ってください。」

俺とドラコは言われた通り踏み台の上に乗る。

するとマダムは俺とドラコの採寸を始めた。

先に俺の採寸が終わり、俺は店の外でドラコを待つことにした。

外に出るとき、丸い眼鏡で癖っ毛の少年とすれちがった。

あっ………ハリー ポッターだ……

俺は物語の主人公を見たことに少し感動した。

しばらくすると、店からハリーが出て来た。

「……彼がすまなかったな………あいつ、ちょっと偉そうだっただろ?」

一応、幼馴染として謝っておく。

ドラコのせいで、主人公やマグルたちから嫌われるのは勘弁してほしいからね。

こういう所でポイント稼がなきゃな。

俺の打算的な考えにハリーは気づかず

「君が謝ることじゃないよ……君も今年入学なの?」

と言った。

どうやら、少しはプラスのイメージがついたらしい。

「あぁ。そういう君もだろ?俺はシモン。君は?」

「僕はハリー…ハリー ポッターだよ。」

少し戸惑いがちに自分の名前を言うハリー。

たぶん、俺も他の人たちみたいに騒ぎだすかもって思っているんだろうな。

「へぇーあのハリー ポッターかぁ……」

俺のリアクションが思ったよりも小さかったことにハリーは驚いているようだ。

まぁ、俺は最初からハリーだってしっていたしな。

「まぁ、ホグワーツではよろしくな、ハリー。」

「あっうん!こっちこそよろしくね、シモン。」

そう言ってハリーはハグリットの方へ走って行った。

するとタイミングよくドラコが店から出て来た。

「遅かったな、ドラコ。」

「あぁ、なぜか僕のだけ時間がかかったみたいだ。もう父上たちが待っているだろう……早く行こう。」

その後俺たちは残りの買い物をして屋敷へ帰った。

「あー疲れた……早く寝よう……」

俺は着替えて自分に清めの呪文をかけ、まだ早いが寝ることにした。

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