機械オタク、魔法界に参上!
□7 材料の部屋
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結局、俺はあの後、授業を受けず、自室に戻った。
あのめんどくさい飛行訓練の場面に出くわしたくないからだ。
もちろん、あの場面に出てドラコと敵対すれば楽にグリフィンドール生の信頼を得られるだろう。
しかし、それはそれで後のドラコの対応がめんどくさくなるから却下だ。
よって、行かないのが1番なのである!!
だいたい、どの学年も授業が終わったころ、俺は待ち合わせの場所へと出かけた。
双子とリーとの待ち合わせである。
場所はグリフィンドール寮の前だ。
スリザリン生には肩身が狭い……
なんでも、話し合いをするための隠し部屋に案内してくれるそうだ。
グリフィンドール寮の近くまで来ると、3人が待っているのが見えた。
「おーぃ!フレッド!ジョージ!リー!!」
俺がそう叫ぶと3人は俺に気づき、俺の所まで走ってきた。
「よっ!ちょっと遅かったな!!」
「そーか?一応予定通りに、出たんだか……」
「「「あぁ、遅かったなね!俺たち、1分も待った!!」」」
3人は息を揃えて言う。
「それは待ったに入らんだろーがっっ!!」
俺はそんな3人についついツッコんでしまった。
「「まぁ、それは置いといて……早速行きますか!!俺たち悪戯仕掛け人の部屋へ!!」」
「おう!!」
俺たちは、悪戯仕掛け人の部屋へと向かった。
その部屋の行き方は凝っているようで、一回外に出てから隠しボタンを押し、中に戻り、合言葉を答えてからやっと隠し扉が出て来る。
はっきりいってとてもめんどくさい。
しかし、中に入ってその意見は変わった。
いや、訂正。
そのめんどくさい作業を、する価値がある部屋だった。
部屋の壁は全て収納スペースがもうけられており、たくさんの様々な材料がしまってあった。
それこそ、マグル製品の部品までなぜかある。
ここは、なにかを開発したり、実験したりするのに最適な部屋だ。
「なっ!良い部屋だろ!!俺たちはよくここで悪戯道具とか作ったりするんだ!!」
「しかもここは、必要の部屋みたいに望んだ材料が出てくる。とは言っても楽に手に入るもののみだけどな。」
「それでも、何かすぐに必要な時に手に入れられるって良いだろ!材料の部屋だから、材料の括りにはいる物しか出てこないけど。」
3人が凄い笑顔で話しかけてくる。
「あぁ、驚いたよ………なんて素晴らしい部屋なんだ!!この部屋があれば、俺は……俺は、簡単な機械なら作れる!!」
そうなのだ。
俺は、屋敷にいた頃、簡単な作りの物なら作れた。
毎日のように機械いじりをしていたからな……
しかし、ホグワーツでは、材料がない。
屋敷から持ってくるのにも限度がある。
よって俺は、ゲームのように完成された物を持ってくることにしたのだ。
だが、ここでは、材料が簡単に手に入る………
マグル製品の部品は、魔法薬で使うような材料ほど貴重ではない。
つまり、ほとんどここで補充できるということだ!!
俺は目をキラキラさせて周りを見た。
あぁ………本当になんて素晴らしい部屋なんだ………
「「「おーぃ、シモン!戻ってこーい!!」」」
ハッッ
俺は3人の言葉でやっと現状に戻ってきた。
危ない、危ない……
あまりの幸せさに舞い上がっていたよ………
俺たちは、それから、まだ気が早い気がするが、ハロウィンでの悪戯の計画を練った。
俺は、悪戯仕掛け人の中では参謀的な役割になるらしい。
まぁ、妥当なところだろう。
俺は3人と学年を寮を違う。
よって、集まりにくいのだ。
なので、アドバイスをしたり、作戦を提案する参謀が良いのだろう。
気がつくと、もうすぐ夕食の時間だ。
俺たちは、次の会議の日程を決めたあと別れた。
俺がもう少しこの部屋にいたいと言ったからだ。
俺は、置いてある材料を見回す。
そこで、俺はピンっと思いついた。
俺はすぐさま必要な材料を集め、自室に帰ることにした。
部屋に帰り、必要な工具などをだしていると、ドラコが上機嫌に帰ってきた。
「聞いてくれ、シモン!ハリーポッターは今日でおしまいさ!!今日の夜中ら奴は罠とも知らず、赤毛のうすのろと一緒にトロフィー室に来る!!そこで、きっとフィルチにつかまるのさ!あっはっはー」
普段のドラコではありえないくらいのテンションの高さだ。
あの青白い顔でさえ、今は赤くなっている。
俺は、そーいえば、今晩かぁー……
まぁ、死なないんだし放置しててもいいな。
俺はハリーたちを放置することに決めた。
「そりゃぁ、良かったな……つーか、ドラコ、明日からまた、俺の飯ここまで運んでくれ。」
「!?また君は引きこもるのかいっっ!?やっと部屋から出たと思ったら、授業中にも出ないし……というか、なぜまた僕が君のご飯を運ばなければならないっっ?」
ドラコはさっきまでの上機嫌とは一変、凄い苛立った顔をしている。
そんな顔したって、意味ねーのになぁー
ドラコは俺には敵わないからな!
「へーぇ……いいんだ?俺が外でマグル製品の物を使っても……別に俺は良いんだぜ?こんな狭い部屋より大広間とかで使いたいしな!!」
そう俺がニヤニヤしながら言うと、ドラコの顔が歪んだ。
そして、悔しそうに
「わかった。」
と言った。
ついでに、俺は別にドラコのことがキライなわけではない。
というか、俺の親しい人間トップだろう……
しかし、ついついいじりたくなってしまうのだ。
だって、そんなキャラだろ?
ドラコって!!
俺はそれから、開発作業に打ち込んだ……
そして、一週間後………
「完成だっっ!!」
そう、ついに完成したのである。
「小型トランシーバー!!」
これは昔、一度だけ作ったことがある。
あの時は、まだ、俺が小さかったため、オモチャのような物しか作れなかったが、今回は違う!!
これを持っている者同士がこのホグワーツ内にいるならば、いつでも連絡をとることができる!!
これがあれば、悪戯仕掛け人の連絡も取れやすくなるはずだ!
しかも、形態はネクタイピン!!
これなら、身につけていてもおかしくないだろう。
あと、これはドラコにもあげよう。
あいつと連絡取れやすいのも助かるしな。
まぁ、とりあえず、一週間まるまる徹夜だったので、取り敢えず寝ますが………
俺は一週間ぶりの睡眠をとることにした。