黒子

□嗚呼、めんどうだ
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俺にとってのアイツは
バスケやんのが楽しくてそれでいて面倒くさい奴。






「黄瀬の野郎許せねえ…」
「アイツ俺の女を…」
「お前もか?俺もアイツに…」


屋上で昼寝をしているとそんな声が聞こえて来た。


「あん…?なにしてんだおめーら」
「あ、青峰?!」
「お前等、黄瀬をリンチにでもするつもりか?」
「だ…だったらどうだってんだよ!!」


俺が睨んだだけで一歩後ろに下がる。


「やめとけよ。」
「うるせえ!邪魔するつもりならテメ―も力づくで…」
「そうか、なら俺もそうさせてもらうわ」


バキッと鈍い音が響く。
一発ずつ顔面を殴ってられば、そいつらは顔を押さえて逃げて行った。


「ちっ……めんどくせえ…」


俺は何をしているんだか。
黄瀬だって弱くは無い。こんなザコなら放って置いても問題ない筈なのに…
俺は何をしているんだ……



嗚呼、ダメだ。
考えるのも面倒だ…。




「あ、青峰ち?何してるんスか?」
「なんでもねえよ」


チンピラ共と入れ替わるようにやって来たのは黄瀬。


「さっき顔押えてく人達とすれ違ったんスけど、喧嘩でもしたんスか?」


人の気も知らないでのこのこ近付いて来る黄瀬。


「ったくおめーは人の気も知らねえで」
「なにがっスか?」



何もかもが本当に面倒くさい。気怠くてたまらない。


「ちっ…」
「青峰…ッんぅ…」


一番面倒くさいのはコイツに振り回されている俺自身だ。
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