庭球
□悪夢
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皆が寝静まった時間。
俺は寝付く事が出来ず外の空気を吸いに散歩に出ていた。
「こんな時間に一人でうろついていたら危ないよ、跡部くん」
ふと声をかけられ、振り向くとにこにことうざいくらいに満面な笑顔を浮かべてやって来た入江を見て、あからさまに嫌そうな顔を浮かべてやる。
「ははっ、そんなに嫌そうな顔しないでくれないかな?傷付いちゃうんだけど?」
「ハッ、この程度でアンタが傷付くとは思えねーな。用がないなら帰れよ」
こいつと関わるとロクな目に合わない。
俺はその場を離れようとすると腕を掴まれた。
「……離せ」
「変な奴に襲われたりしたらどうするの?」
「嗚呼、そうだな。一番の不審者なら目の前にいる事だし、帰らせてもらうとするぜ」
「酷い言われ様だね。でもまあ、あながち外れちゃいないかな」
言うが早いか入江は俺の両腕を後手に掴んで動きを封じて来た。
「ッく…」
「油断し過ぎだよ?」
ニヤリと笑みを浮かべる入江が憎たらしい。
「僕を一番の不審者だと思っているのならちゃんと警戒しないと。ほら、だからこんな事になっちゃうんだよ?」
「…ッ……」
片手で俺の両腕をまとめて抑えると、開いている方の手がするりと伸びて来て服を捲り上げ直接肌に触れてくる。
「どうしたの?」
「ン……」
「感じちゃった?」
「っ…して、ねぇッ…!」
反対の言葉を叫んでも変わらず入江は鬼畜な笑みを浮かべ、俺の反応を見て面白がっている。
「ふ、ぁッ…!」
ふいに胸の突起を抓まれ女のような声が出る。
「へえ…そんな声を出してよく言うね」
「ッン…んんぅ…」
ぐりぐりと乳首を弄ばれ、声を抑えるのがやっとだ。
「ねえ跡部君。本当は気持ちいいんでしょ?ココを弄られるの」
「っは…」
「そうでなきゃこういう反応はしないよね?」
にこりと、全てを理解しているても言うようなあの笑みを浮かべている。
「っふ…ぁ…」
「男の子なのに乳首を弄られて感じちゃうなんてはしたない子だ」
入江の手が下着の中へと侵入してくる。
「あれ?なんかぬるぬるするね」
わざとらしく言うと入江は俺の自身をとり出す。
「跡部君のお漏らししてるみたいになってるよ?」
「くっ…」
羞恥を煽るような入江の物言い。
ぐにぐにと弄られれば嫌でも反応してしまう身体が恨めしい。
「ふ…あッ…あん…ッ」
「あんって…クス、本当に女の子みたいだね」
反論したいのにその余裕がない。
口を開けば出したくも無い女のような声が出てしまう。そんな心情を察して入江は益々口角を上げた。