庭球

□一番
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跡部はモテる。
俺様で傲慢でも、容姿はいいし完璧なまでのカリスマ性。何より跡部財閥の御曹司。モテ無い訳が無かった。

「跡部様、好きです!付き合ってくださいっ…!」
「アーン…?」

跡部と忍足は付き合っている。だがテニス部以外の周りはそれを知らない。その為忍足が居ようと関係なく告白される事は少なくは無い。

「どけ。邪魔だ雌猫」

そしてその度に跡部はこうして相手をふる。

「行くぞ忍足」
「堪忍な」

そう言って告白して来た女子をその場に残し生徒会室へと向かった。

「ええの?」
「何がだ」
「あないな断り方ばっかしとったらいつか嫌われてまうんやない?」

答えなんてわかりきっているけれど、あえて聞く。

「どうせ金目当てな奴ばっかだ。そんな奴らに嫌われようが痛くも痒くもねえ」

はっきりと言い切る跡部。

「ほんにお前は…」
「それにな、俺様は……お前さえ居てくれれば、それでいい」

照れているのか若干頬を赤らめ目線を逸らして言う跡部。忍足はそんな跡部が可愛く思えて仕方が無い。
そしてその跡部が他の誰でも無い自分だけを求めてくれている事が嬉しくてたまらない。

「…ッく」
「…ッ……ン、」

顎を掴みキスをする。

「ふ…んぅ……」

忍足が舌を絡めれば跡部はそれに応えようと口を開く。

「アカン……」

跡部が忍足を一番に求める様に、忍足もまた、跡部を一番に求めているからこそ、跡部の行動が嬉しくて、跡部に求められる事が幸せに思う。




 
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