長文部屋

□A secret meeting
2ページ/6ページ





黒子が疾走してから2週間が過ぎた。
生徒会室の面々は重苦しくその中にいた。
皆、黙ったまま黙々とパソコンやら書類やらを見ているが、全員隈が酷い状況である。

「……っあー!何処にいんだよっ!!」

急に発狂してソファを蹴り上げる青峰。いつもは桃井や黄瀬が止めるのだが、二人はそんなのお構い無しにパソコンを睨みつけていた。

「ね、赤ちん。ほんとにわからないの?」

赤司は目頭を押さえて黙ったまま。こんな赤司を今まで見たことがない。
紫原は情報を探ると言うものに長けている訳ではないが、赤司、桃井が長けていることは知っている。
その彼等が余りにも青褪めているのを見ると不安になってしまうのだ。
今にも泣きそうな表情の紫原に赤司はそっと頭を撫でた。

「すまない。」

「ううん、赤ちんが悪いわけじゃないでしょ?俺だって役に立たなくてごめん。」

「役に立たないなんて誰も思ってないよ。敦は僕達に元気をくれている。」

そうは言っても、探している黒子が見つからない。その不安が6人の心を苦しめていた。
何故あの時家まで送らなかったのか、何故あの時他校に何て行ってしまったんだ…負のオーラは常に攻める言葉しか出てこない。
火神から連絡をもらってからここに戻って来たが、黒子の消息は全く分からなかった。
ただ、下駄箱付近に黒子のバックが落ちていた…すなわちそれは拉致された。それしかないだろう。
中を確かめたが財布も携帯も入っていて物取りでも内容だし、黒子が誰かといたという情報もない。
火神と合流して黒子の家に向かうが、そこにはやはり黒子はいなかった。隣の部屋の大家も聞いていた通りの反応。
そして何より、キセキが驚いたのは黒子が一人暮らしだという事だった。
小さい頃は黒子に似た水色の髪の綺麗な母親と幼いキセキでもかっこいいと思う位の顔立ちの父親がいた筈だ。
不思議がっているこちらに気づいたのか、火神が辛そうに下を向いていった。

『黒子の両親はあいつが7歳の時に死んだ…いや、殺されたんだ。』

衝撃的な事実は彼等の心をさらに苦しめた。
何でも、黒子以外の血縁者が皆殺されたそうで、身寄りのない黒子は7歳の時からずっと一人で生きて来たそうだ。
なぜ…?
怒鳴るように問うが、火神は辛そうに首を振った。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ