長文部屋

□Warmth
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「あ、わりぃ。ついていけてないよな。俺は日向順平。ここの医師だ。お前は1週間前にここに運び込まれてずっと昏睡状態だったんだよ。まぁ、あんな森の中でどうして倒れてたのか、とか色々聞きたいことはあるんだが、今はとにかく安め。医師命令!さぁ寝ろ!」

そう言うと颯爽と部屋から出て行ってしまった。
なんなんだ…黒子は全くついていけなかったのだが助かった上に拾われた先の人はいい人…それ位はわかった。
おまけに1週間も寝ていたなんて…学校を休んでしまっていることで皆が心配しているのではないか…。
色々考えることはあったが、次第に睡魔が襲ってきたのでその波に乗って黒子は意識を手放した。











次に起きた時には、日向とリコ以外の人が隣にいた。

「お、起きたか?」

ガタイのいい男性。優しく笑いながら食べようとしていたのか黒飴と書いてある飴袋を開けて口に含みだす。

「あな・・たは?」

「あー俺?木吉鉄平だ。よろしく。」

「はぁ。」

にこにこと笑って口の中で黒飴を転がしている。
こちらも何を言っていいのかわからず黙っていると木吉もにこにこ笑ったまま何も言ってこない。
しばらくお互いを見ながら時間が経った…この状況をどうしろと?と内心ため息が出そうであったが仕方なく黒子が話しかけた。

「あの、き、よし、さん。」

「うん。」

「あなたは、なぜ、ここ、に?」

「あ〜そうだ。それ言ってなかったよな〜悪い悪い。君を山で見つけたの俺なんだ。ちょっと夜中の散歩に出かけてたら偶然倒れてて。酷い怪我だったから此処に連れて来た。」

「そ、うですか。たす、けていただいて、あり、が、とうご、ざいます。」

「いいや。無事で何より…っても、無事じゃなかったなー。」

頭をかいて笑う木吉。すると何時入ってきたのか日向が後ろから頭をぴっぱたいた。

「ダァホッ!患者不安にさせんじゃねーよ!」

「おぉ、日向。俺、不安にさせるようなこと言ったか?」

「無自覚か?無自覚あほかお前は!」

胸倉を掴んで文句を言う日向に相変わらず木吉は笑顔を向けてのんきに返答している。
それを呆然と見ているとリコが側に来て苦笑していた。


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