長文部屋

□Signal
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一方、海常高校の一室ではキセキのメンバーが会議をしていた。
お互いの書類を見て意見を言い合っているのだが、青峰はやる気もなく欠伸ばかり。
紫原はずっとお菓子を食べ続けていた。
会話をしているのは赤司と緑間と桃井位だ。
名前の挙がっていない黄瀬も青峰と紫原と同様、全然聞いていない。
まぁ、海常の生徒会も女子は黄瀬を見つめていて聞いているのかわからない状態ではあるのでお互い様ではある。

(早く終わらないっすかね…。)

女子に笑顔を向けながらも内心はうんざりしていた。
まぁ、黄瀬だけでなく他の5人もそうだが折角の休日がつぶれてしまっているのだからたまったものじゃない。

(こんなくだらない事してる位なら黒子っちと出かけたいのにー!)


頭の中で繰り広げられる絶対にない黒子とのデートのシュミレーションに癒されていると、ポケットに入れておいた携帯が震えた。
そっと取り出してみると着信…そして相手は火神である。
黄瀬は顔をしかめてしまった。
黒子の事を自分よりも知っている、自分よりも信頼されているという事で嫌いではあるが黒子の友達なので一応アドレスを交換していた。
しかし、絶対に連絡など来ないと思っていたし自分でもするつもりはなかったのだが…何が?
なんとなく、嫌な予感がして電話を取ろうと立ち上がる。
急に動き出せば全員の視線が集まるのだが、軽く会釈して廊下に出た。

「なに?」

不機嫌な声を隠すことなく話すとそんな事お構いなしに相手は叫んでいた。
しかし、余りに慌てているようで何を言っているのかが分からない。

「はぁ?ちょ、落ち着いてよ。何いいたい訳?」

何度声をかけても、“いない、”“どこ行った”の繰り返しで理解しがたい。
どれだけ慌てているのか。
次第にイライラして来て怒鳴り散らしてやろうと思えば、黄瀬に続けとばかりに出て来たのか青峰が教室から出てきた。そして黄瀬が振り返る間もなく肩に腕を回され体を寄せられた。

「おーおー楽しそうじゃねーか。誰と話してんだよ。」

「楽しくなんかないっす。火神から電話来たんっすけど、あいつ意味わからないことばっか言ってうざいんす。」

『おい!聞いてんのかてめぇ!』

「あ?」

二人してもう一度携帯に耳をあてると、やっと落ち着いたのか火神の言葉がはっきり聞こえた。



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