長文部屋

□Signal
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とある高校の体育館ではボールの弾む音と掛け声が響く。

「たらたらしてんじゃねー!走れっ!」

「火神!」

「うっす!!」

チームメイトからのパスを受け取り豪快にダンクを決めると、試合終了の笛が鳴る。

「しゃぁっ!勝った――――!!」

もみくちゃにされながら勝利を喜び会う火神達をベンチでじっと見つめていたマネージャー池田は持っていたタオルを強く握った。
その瞳は何処か虚ろで、心ここに非ず。
コートから戻ってくる選手など見てはいなかった。

「…?池田?どうした?顔色悪いぞ。」

火神が彼女の異変に気づき声をかけるが、全く反応しない。

「おい。」

肩に触れてゆするとやっと視線が合った。すると急に彼女は口を押えて走り去って行く。

「…なんだ?」

訳が分からない火神はどうすることも出来ずに佇むばかりである。





【Signal】





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