長文部屋

□Meeting 2
2ページ/5ページ





新学期が始まって初めての土曜日。
土曜日と言えば大体は部活で青春を謳歌する為にあるといっても過言ではない。
校舎の中、グラウンド、どこもかしこも生徒の楽しそうな声ばかり。
しかし生徒会室ではそんな外の声が響く位静かであった。


「何故ここに集まったかはわかっていると思うが…」


先ほどの続く赤司の台詞をデジャブと感じる者はこの生徒会室には誰一人いない。
前回議題に上がっていた桃井も今回は参加中である。
重苦しい空気の中、赤司は淡々と続けていく。

「昨日、我らが愛するテツヤが見つかった。探して探して探して…待ち焦がれていたあのテツヤが。あの可愛かったテツヤが。戻ってきてくれたんだ。」

静かに、しかしふつふつと湧き上がるのは黒子テツヤへの熱い想いのみ。
青峰は口元が上がり、黄瀬は星を飛ばし、紫原はお菓子をいつもの倍以上食べ、緑間はハンカチで涙を拭いていた。
もちろん桃井はハートが飛んでいるのは当たり前である。

6人それぞれが昨日の奇跡とも言えよう再会を頭の中で再現する。


「あぁ、白い肌は相変わらずだったね。」

「黒ちん相変わらず小っちゃいよね〜」

「目はくりくりしててたまらないっす!!」

「頬はふっくらだったのだよ。」

「あいつの髪、柔けーんだよなぁ。」

「テツくん…泣いた顔も素敵…」

黒子テツヤという男の上から下までを360度回転させて妄想していること間違い無し。
感動に打ちひしがれる6人ではあるが、赤司は勢いよく手を机に叩きつける。

「しかし、しかしだ!あの男は何なんだ!」

「「「「火神大我」」」」

黒子が一度泣いてしまうと止まらなくなってしまうという事を知らなかった。
幼少時の時は、泣き虫ではあったが立ち直る気力はあった筈だ。
しかし、この11年で自分たちが変わったように黒子も変わってしまう事もある。
酸欠で死にそうになっていたのを助けてくれたのが黒子と付き合いが長いという火神だった。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ