長文部屋

□Meeting 1
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勉学に励む学生ならこの時間を有効に使うだろう昼休み。
彼等5人、キセキは昼食も忘れ集まっていた。

「何故ここに集まったかはわかっていると思うが確認する。朝から広まっている噂を知っているかい?」

「あ〜あれっしょ?桃ちんの彼氏登場ってやつ?」

「あれ?俺が聞いたのは桃っちに付きまとう馬鹿な男がるってやつっすよ。」

「あ?さつきがFカップなすりつけて誘惑してるって言うのじゃねぇのか?」

「なんて破廉恥な!俺が聞いたのは桃井があ、ああああああ朝帰りしたと聞いたのだよ!」

緑ちんうろたえすぎ〜と笑う紫原に緑間は赤面して食って掛かっている。
それを見て赤司はため息をついた。

我等が生徒会長である桃井さつきに色恋沙汰の噂が流れる…これは由々しき事態である。
この学校を統一する為にいる生徒会。
何かがあればすぐに叩かれて落とされてしまうのが見えている。
実際自分たちも一代目を蹴落とす為に使った策の一つでもあったのだ。
今まで桃井には色恋沙汰の話は一切ない。
まぁ、これだけ顔立ちのいい男がそろった中で過ごしているのだ。自然とキセキとの関係を疑われることの方が多かったが、それは暗黙の了解で誰も口にはしなかったのだ。
桃井だけではなくキセキ達も噂にされそうになった事はあるが、広まる前に対処していた。
が、今回の場合は噂自体に気づく前に広がってしまい、止める事など出来る筈も無かった。

「広まってしまった噂は仕方ない。しかし内容がないようだ。これは事態を確認しないといけない…だろう?」

別に桃井が誰に恋をしようと構わない。
女なのだから、恋の一つや二つ、あるのは当たり前。
しかし、キセキ達にとって桃井は長い付き合いの友人であり、兄妹の様な気にもなっている。
ぶっちゃけ、何処の馬の骨が桃井をたぶらかしたのか…興味がるのだ。

桃井に似合わない相手なら即刻抹殺。

それぞれ口では色々言うが、心の中で思うのは同じ…桃井への友愛であった。


桃井もキセキもお互い思い思われの仲良しである。


無言で4人が頷くのを見て赤司は立ち上がる。



「さぁ、始めるよ。桃井は今日そいつと帰るらしいから、放課後…楽しみだね。」



無表情の笑顔は、娘馬鹿な父親の様だった。









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