dream
□パラソルある庭園にて
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人間は得体の知れないものに魅かれるものなのかもしれないーーー。
オレはことあるごとに西園寺零名という少女を目で追っていた。
彼女は普通の生徒たちには嫌煙されている存在なのかもしれないが、少なくともオレの目には無限の輝きを内に秘めた宝石のような者に映った。
今日も窓際から、一人で花壇で日向ぼっこをしている零名を見つめていた。
隣で苺牛乳をすすっていた恋崎が急に話しかけてきた。
恋崎「お前また西園寺なんか見てんのかよ・・・。あいつは止めとけよ。マジで何考えてるかわかんねえから。」
「別にそんなんじゃないよ。」
オレは彼女を見つめたまま適当に答えた。
恋崎「どうでもいいけどよ、あいつは精神病でリスカしてるって噂だぜ。せいぜい遠くから見てるだけにしてろよ。」
「はいはい、わかったよ。」
全く、お前も何考えてるかわかんねえよ。
そう吐き捨てて空になった苺牛乳を捨てに行った。
その隙に、オレは今日こそ零名のところに行くと決心した。