dream
□today i'm over 7 stone
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ある夏の午後のことだった。
俺と零名は炎天下の校庭で体育をしていた。
俺たちは違うクラスだが、今日は体育祭の練習ということで、合同で行っていた。
零名は炎天下の中をなぜかジャージを着て走っていた。
普段はびっくりするほどの色白の零名だが、レーンの一番最後を走る彼女の顔は当然リンゴのように真っ赤になっていた。
(具合が悪いんじゃないか・・・?アイツは真面目で無理するタイプの性格だからきっと今日も無理してるんだ・・・。)
「倒れる前に俺がやめさせないと」
そう思って立ち上がった瞬間
バタンっ・・・・・・。
ついに零名が砂ぼこりの中に倒れこんでしまった。
「零名!!」
急いで零名に駆け寄った。
「零名!大丈夫か!?またお前は無理してたんだろ?今俺が保健室に運んでやるからな。」
そういって零名を抱き上げた途端・・・
「だめよ!!私重いからダメ!!!一人であるけるわ!」
「そんなこと言ってるじゃないだろ!大丈夫だ。俺に任せろ。」
俺の腕から逃げ出そうとする零名を半ば無理やり抱え、保健室まで急いだ。
零名はまるで赤ん坊のように軽かった。
腕に硬くてごつごつしたものがあたった。
(あれ・・・零名ってこんなに軽かったけな・・・?)
真っ赤に火照っている頬もこけていたが、それは具合が悪いせいだと思うことにした。
「失礼します。」
一礼して保健室に入ったが、保健医は留守のようだった。
「何だよ、肝心な時にいないのかよ・・・。
」
「零名、ベッドを借りてしばらく横になっていろよ。」
そういって零名を寝台に下した。