dream

□泣血恋月
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それはたいそう冷たい風の吹く七月の午後のことだったーーー。





空はもう群青色に染まっているが、星は一つも姿を現さず、どこか薄気味わるいどんよりした塊が見えた。

私はどうということもなく、ただ空の群青と繋がりかけている川面を眺めていた。

この静かで浅く綺麗な、でもどこか不気味で闇の世界を思わせる川は思いを寄せている人を思い起こさせる。
だから私はこんな鄙びたところに足を運んだのだった。





でも彼はもうこの世にはいない。






"レーゼ"と名乗る謎の人物率いる集団に学校を破壊されかけた際、他のチームメイトは命は取り留めたのだが、彼だけはとりわけ重傷で、半年たっても私の前に姿を現さない。




私は病院に行っても、自宅に行っても、部室に行っても、彼の姿を見つけることができなかった。





だから彼はきっと死んでしまったのだ。

そう思うほかになかった。

このまま音沙汰もない人を思い続けるのもつらい、なんて非道徳的なエゴを働かせてみたのだ。



「もう、帰らなきゃ」


川べりから立ち上がろうとすると、背後からいっそう冷たい風が吹き始めた。






振り返ると、白い少年がぽつんと立ちすくんでいた。
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