*Long2*
□となりの彼氏 32
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この暑い中始まった試合は
点を取ったら返し、取られたらまた返し、そのたびに防ぎ、ならばこっちもと防ぎ
本当の意味で終了な笛がなった時は夕方4時。
朝の10時から始まって一試合。
2時間休憩をはさんでもう一試合。
サッカーの試合は一試合90分。
この暑いのに休憩をはさんでいるとはいえ…
超人だ。
「お疲れ様です」
皆フィールドに大の字で倒れこんだり、座り込んだりと
終了と同時に思い思いの形で疲れを表している。
それでも笑顔で話したりしているから
サッカーが大好きなんだなぁと思う。
暑さはほんのり和らいだ気もするけれど
今このフィールドには別の理由で熱いと思う。
20になった、20を過ぎて、大人の入り口に立っている私たちだけど
今はきっと幼い頃に戻っている。
倒れこみ、筋肉の痛みと心地の良い疲労と
仲間の笑い声に包まれて、酸素を求めて胸を上下させながら
それでもやっぱり嬉しそうに体を投げ出す。
赤々とした夕日に照らされた今この瞬間を
10年前、世界の舞台で、
もしくは練習に明け暮れたいつかの日に重ねているのだろうか。
…そういうのっていいよね
ふと隣のベンチを見たら
秋ちゃんたちも優しく笑っていた。