*Long2*

□となりの彼氏 27
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夏の夕暮れは長い。
一日を惜しむように太陽が傾き始めて
徐々に、ゆっくりと辺りは薄闇に染まっていく。

バーベキューもそろそろお開き、
かと思いきやその気配はなく、むしろまだまだ盛り上がるようで



「花火やるぞーっ!!」



円堂君のはりきった声が聞こえたのを皮切りに、辺りでパチパチという火のはぜる音、
そして明るい光がところどころでもれるようになった。




河原の風が夜風に少しずつ変わっていく。




「あっ!皆さん名無しさんさんを独占しててずるいですよっ!」




と、春奈ちゃんがテントに飛び込んできて皆を見まわして言う。
手には花火セットが握られているから呼びに来てくれたのだろうか




「さっ、名無しさんさんっ!花火しましょーっ!!」

「あっ、うん!」

「えぇー、僕らは呼んでくれないの?」

「松野さんは花火振り回すからだめです」




マックス君がそう言ったのに対して
べぇっ、といたずらっぽく言った春奈ちゃん。



反論しないところを見たらきっと事実なんだろう。
・・・でもそれってかなり危険だよね?



でも皆もゆっくりだけど立ちあがり始めていて、どうやらこのまま
最後は花火大会で終わるみたいだ。






春奈ちゃんと、そしてそこに秋ちゃん、冬花ちゃんも加わって
一緒になってふきだし花火をしていたけれどやっぱり女子が集まるとあれがやりたくなる。




そう、線香花火!





「じゃあ私もらいに行ってくるねっ」

「えっ、いいですよっ」

「いいからいいからっ!」




私が来たらもう準備は万端!って感じだったので
きっと秋ちゃんたち皆がしてくれたのだと思う。

そうしたらちょっとでも私も働かなきゃって思っていち早く歩き出した。
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